今では実現できない? シャープなフロントノーズの車5選
リトラクタブルヘッドライトでなくても、シャープなフロントノーズのモデルとは?
●三菱「GTO」
1990年に誕生した三菱「GTO」は「スタリオン」の実質的な後継車で、北米市場をメインターゲットとするGTカーとして開発されました。
ボディは全長4555mm×全幅1840mm×全高1285mmという堂々としたサイズの3ドアファストバッククーペで、グラマラスで迫力あるフォルムは、新時代のスポーツカーにふさわしいものでした。
デビュー当初はリトラクタブルヘッドライトを採用したフロントノーズでしたが、1993年のマイナーチェンジで固定式ヘッドライトに変更。さらに、1998年にはフロントバンパーのデザインを一新して、よりアグレッシブな印象のフロントノーズとなります。
搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒DOHCで、最高出力225馬力の自然吸気と最高出力280馬力を誇るツインターボが設定され、駆動方式は全車フルタイム4WDを採用。
当時、ライバルに対して車重が重いGTOは運動性能では不利でしたが、スタイリッシュなフォルムと4WDによる安定した走りなど、GTカーとしてのポテンシャルは高かったといえます。
そして、2001年に生産を終了し、後継車はありませんでした。
●トヨタ「セリカ」
かつて、トヨタの小型スペシャリティカーとして誕生した「セリカ」は、36年という長い歴史を刻むなかで、大きく様変わりしたことがあります。
とくに大きく変貌したのは1985年に発売された4代目で、全車FFとなり、さらに1986年には高性能なターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせた「GT-FOUR」が登場。
ラリーで勝つことも目的としたGT-FOURは、その後6代目まで継承されました。
そして、1999年にデビューした7代目は再び大きくコンセプトが変わり、全グレードがFFとされ、エンジンもすべて自然吸気となります。
ボディは3ドハッチバッククーペのみでコンバーチブルは廃止。縦長のヘッドライトと空気を切り裂くようなシャープなフォルムが特徴です。
エンジンは前述のとおり全グレードとも1.8リッター直列4気筒自然吸気で、トップモデルの「SS-II」には高回転型の「2ZZ-GE型」を搭載し、最高出力190馬力を発揮。トランスミッションは6速MT(SS-II)、5速MT、4速ATがラインナップされました。
足まわりはフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンを採用した4輪独立懸架となっており、1トン少々の軽量な車体と相まってFFスポーツカーとしてのハンドリング性能を重視。
しかし、すでにクーペの需要は低下しておりセリカの販売台数も好調とはいえず、2006年に生産を終え、歴史に幕を閉じました。
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現行の国内モデルで3ドアハッチバッククーペというと、トヨタ「スープラ」と日産「フェアレディZ」の2シーター車2台のみです。
かつては5シーター、4シーターの3ドアハッチバッククーペは、さまざまなモデルが各社から販売されていましたが、ニーズの変化にはあらがえずに姿を消しました。
そもそもスポーツカーの需要も低迷している状況ですから、もはや3ドアハッチバッククーペの復活は難しいでしょう。
歩行者保護の為、ボンネットが高くなった。
車の直前にいる小さい子供が轢かれる事故にはどう対応するのだろう?