今では実現できない? シャープなフロントノーズの車5選

クルマの外観デザインや売れ筋となるボディタイプは、時代によっての流行であったりニーズで変化しています。かつてスポーツカーといえば、空気を切り裂くようなシャープなフロントノーズの3ドアハッチバッククーペが定番でした。そこで、両方を兼ね備えた往年のスポーツカーを、5車種ピックアップして紹介します。

トレンドの変化だけでなく、法律の壁もデザインに影響?

 クルマの外観デザインにはその時代の流行があり、時間の経過とともに変化しています。また、ボディタイプもニーズが変わることで、人気のモデルは何年かのサイクルで変化してきました。

シャープなフロントノーズをまとう往年のスポーツカーたち
シャープなフロントノーズをまとう往年のスポーツカーたち

 なかでも1980年代から1990年代は、スポーツカーというと空気を切り裂くようなフロントノーズの3ドアハッチバッククーペというのが定番でした。

 3ドアハッチバッククーペはニーズ少なくなったことで数が激減しましたが、低いフロントノーズのクルマが消えたのは、法律の改正も関係しています。

 現在は歩行者保護を目的とした法改正によって、フロントエンジンのクルマでは低いボンネット実現することが非常に難しい状況となったことから、近年のモデルはフロントノーズを厚くせざるを得ないということです。

 そこで、いまではほとんど見られなくなったシャープなフロントノーズの3ドアハッチバッククーペを、5車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「サバンナRX-7」

オールドスポーツカーのなかでも秀逸なデザインの「サバンナRX-7」
オールドスポーツカーのなかでも秀逸なデザインの「サバンナRX-7」

 1967年に発売されたマツダ「コスモスポーツ」は、世界初の量産ロータリーエンジン車であり、本格的なスポーツカーとして、いまも語りたがれる名車です。

 その系譜を受け継いだといえるのが、1978年に登場した初代「サバンナRX-7」(SA22C型)といえるでしょう。

 トヨタ「2000GT」に続いて国産車では2例目となるリトラクタブルヘッドライト採用し、小型軽量なロータリーエンジンをフロントミッドシップに搭載することで、低くシャープなデザインのフロントノーズを実現。

 また、全体のデザインも空気抵抗を考慮したクサビのようなフォルムの3ドアハッチバッククーペで、実際に空気抵係数のCd値は0.36を達成しました。

 エンジンは先代の「サバンナGT」から継承した573cc×2ローター自然吸気ロータリー「12A型」を搭載し、最高出力130馬力(グロス)を発揮。

 さらに、1982年には12A型にターボチャージャーを追加した「RX-7ターボ」が登場。最高出力165馬力(グロス)を発揮し、1020kg(GTターボ)という軽量な車体によって、名実ともに生粋のスポーツカーへと進化したといえるでしょう。

 1985年には2代目サバンナRX-7(FC3S型)にスイッチし、1991年には3代目にあたるアンフィニ「RX-7」がデビュー。どちらも初代サバンナRX-7のコンセプトを受け継いだスポーツカーとして、高い人気を誇りました。

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●ホンダ「クイントインテグラ」

まさにノミで削ったようなシャープなフォルムが特徴の「クイントインテグラ」
まさにノミで削ったようなシャープなフォルムが特徴の「クイントインテグラ」

 かつてホンダは「クリオ」「プリモ」「ベルノ」という3つの販売チャネルを展開。なかでもベルノはスポーティなモデルを中心に取り扱う販売チャネルで、初代「NSX」もベルノ店で販売されました。

 このベルノ店から1980年に発売された「クイント」は、「シビック」と「アコード」の間に位置するモデルで、欧州テイストの5ドアハッチバックボディを採用。

 しかし、クイントの販売は低迷したことから、1985年に2代目にあたる「クイントインテグラ」を発売しました。

 全グレードともDOHCエンジン搭載した3ドアハッチバッククーペとなり、スタイリングから走りまですべてを一新。

 外観は、リトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズと低ボンネットが特徴で、リアではサイドに回り込んだラップラウンド・リアウインドウとハイデッキを採用し、見るからにスポーティなウェッジシェイプを実現しています。

 数か月遅れで追加された4ドアセダンと5ドアハッチバック(SOHCエンジンを設定)も直線基調のクーペスタイルとされ、シビック以上にスポーティなモデルとして人気を獲得。

 その後、クイントインテグラは次世代から「インテグラ」となり、FFスポーツカーとしての地位を確立していきました。

●日産「180SX」

パワフルなエンジンを洗練されたボディに搭載した「180SX」
パワフルなエンジンを洗練されたボディに搭載した「180SX」

 1988年にデビューした日産5代目「シルビア」は、美しいフォルムの2ドアクーペボディに高性能なエンジンを搭載したFRスポーツカーというコンセプトから、大ヒットを記録。

 そこで、日産は次の一手として、1989年に3ドアハッチバッククーペの姉妹車「180SX」を発売。同じくFRのスポーツカーとして人気を博しました。

 両車は主要なコンポーネンツを共有していましたが、シルビアが固定式ヘッドライトだったのに対して180SXはリトラクタブルヘッドライトを採用。ノッチバックとハッチバックという全体のフォルムも完全に分けられています。

 180SXは当初、最高出力175馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していましたが後に205馬力の2リッターターボと140馬力の2リッター自然吸気に換装。

 その後、1993年にシルビアは6代目が登場しますが、180SXは従来型のまま継続して販売され、改良が加えられながらフルモデルチェンジすることなく1999年に7代目シルビアの登場をもって生産を終了しました。

 なお、日産のリトラクタブルヘッドライト車は、180SXが最後のモデルでした。

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1件のコメント

  1. 歩行者保護の為、ボンネットが高くなった。
    車の直前にいる小さい子供が轢かれる事故にはどう対応するのだろう?

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