完売直前! 限定車アウディ「A1シティカーバー」はA1スポーツバックとどう違う?

1リッターターボエンジンは十分なパワー

 シティカーバーのエンジンは1リッター直列3気筒ターボ「1.0TFSI」である。それだけを聞くと、1210kgの車重を引っ張ることができるのか心配になるが、ターボチャージャーによって最高出力116ps/5000-5500rpm、最大トルク200Nm/2000-3500rpmを発揮するから十分な力がある。

アウディ「A1シティカーバー」のインパネ。トランスミッションは7速Sトロニックだ
アウディ「A1シティカーバー」のインパネ。トランスミッションは7速Sトロニックだ

 この最大トルク200Nmは、例えれば2リッターの自然吸気(NA)エンジン並みだからまったく問題ない。ターボの助けにより低いエンジン回転数からトルクがあるから、通常領域ではアクセルペダルを踏み込む右足の動きに比例した加速感が味わえる。
 
 ただしアクセルを深く踏み込むとグイーンというエンジン音を伴い回転上昇を待つ感じにはなる。このあたりは1リッターエンジンの限界かもしれない。それでも結構いいペースで山道を駆け回ることができる。

 トランスミッションは7速Sトロニック(DCT)。市街地走行や車庫入れの発進など微低速のときにはややスパッと繋がってスムーズでないこともあるが、そこだけ注意して走り始めてしまえばまったく問題ない。

 ワインディングロードでは、シフトセレクターはDレンジのままでもハンドルの裏にあるパドルシフトを使うと、コーナーの立ち上がりでアクセルペダルに遅れがなく、気持ちのいい加速がタイミングよく味わえる。

 パドル自体は小さめだが、ハンドルと一体に回るタイプなのでワインディングロードでは使いやすい。Dレンジのままならパドルシフトでシフトダウンしても、一定速走行でエンジンの力をあまり使わなくなるとマニュアルモードから自動的にDレンジに戻ってくれるから扱いやすい。アウディはこの自動的に戻るタイミングが早過ぎないので好感を持っている。

 運転席に座るとちょっとスポーツカー的な雰囲気を感じる。ダッシュボード中央のモニター画面やエアコンなどのスイッチ類はドライバー側に向いているからだろう。

 メーターパネルが液晶モニターで構成される標準装着のバーチャルコックピットも、ハンドルのスポークに付いているスイッチを使って画面を変えることができる。スピードメーター、タコメーター、地図情報、車両情報、エンタメ情報などドライバーの好みで大きく、広く表示するものを変えることができる。

 アウディA1シティーカーバーは、取り回しが良くクセのないハンドリングで人を選ばない。老若男女、家族の誰でもが安心して運転でき、小さくても高級感があるところは大きな美点だ。

* * *

 日本では限定車として登場したA1シティカーバーだが、欧州ではカタログモデルとして販売されている。アウディジャパンによれば注目された限定車だったようなので、今後また日本で販売される可能性も高いだろう。

アウディ「A1シティカーバー」。A1スポーツバックよりも車高が40mm高くなっている
アウディ「A1シティカーバー」。A1スポーツバックよりも車高が40mm高くなっている

Audi A1 Citycarver limited Edition
アウディA1シティカーバー リミテッドエディション

・車両価格(消費税込):483万円
・全長:4050mm
・全幅:1755mm
・全高:1485mm
・ホイールベース:25655mm
・車両重量:1210kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
・排気量:999cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速Sトロニック(DCT)
・最高出力:116ps/5000-5500rpm
・最大トルク:200Nm/2000-3500rpm
・WLTCモード燃費:15.3km/L
・タイヤサイズ:205/55R17

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