マツダ、人気車販売終了の突然の発表なぜ? 「CX-3」「マツダ6」が米市場で販売されない理由とは

いまの北米マツダはガソリン車のみ? 今秋にはEV投入も…

 しかし、北米マツダでは2021年5月時点ではガソリン車以外をラインナップしていません。

 2019年にCX-5のディーゼル車を追加設定しましたが、2021年1月に販売終了を明らかにしています。

 また、2021年秋にEVとなる「MX-30」の発売を予定していますが、EVという特性上、また、販売地域が限られていることもあり、爆発的な販売台数を記録すること難しいといえます。

 もし「CAFE」の値が一定値を下回ってしまうと、巨額の罰金が課されることになり、マツダにとっては収益に大きく影響を与えることとなります。

 今回のCX-3やマツダ6の販売終了は、そうした燃費規制の影響を受けたものと考えるのが妥当です。なお、アメリカに先立って、欧州では2021年1月にマツダ6のディーゼル車が販売終了となっています。

2019年にディーゼル車が追加されたマツダ「CX-5」だが、2021年初頭に販売終了が明らかになっている
2019年にディーゼル車が追加されたマツダ「CX-5」だが、2021年初頭に販売終了が明らかになっている

 今回、アメリカでの両車を販売終了させることでひとまずの対応をするものと考えられますが、「CAFE」による規制は世界各国で導入が進んでおり、各国で異なる対応が求められることになるでしょう。

 なお、マツダの関係者によれば「各地の環境規制に対応するためラインナップの見直しがおこなわれている」と話しています。

 そのため、全世界的にCX-3とマツダ6が販売終了となることはないようです。

※ ※ ※

 クルマの歴史は規制対応の歴史ということもできます。年々厳格化される規制に対し、一時的な対応で時間稼ぎをしつつ、その間に根本的な対応策を講じるというのが、多くの自動車メーカーが歩んできた道です。

 マツダによる今回のラインナップの整理は、あくまで燃費規制に対する一時的な対応と考えられます。

 果たして、マツダはその先のきたるべき時代にどんな将来を描いているのか、注目したいと思います。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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