一般道でレーシングカーが激走 動画製作の知られざる秘話
救急車を配備しセーフティーカーも同時走行することで
「以前から一般道路でレーシングカーを走行させる企画を考えていました。ただ、日本では無理じゃないかといわれていたのです。そんななか、メーカーの試乗会でターンパイクがクローズドされているのを見て、それがきっかけでした」と、製作理由を語ってくれた高田さん。
そして無理を承知で「MAZDAターンパイク箱根」に聞いたところ許可が降りたのですが、一般の道路で行うには国土交通省の認可も必要となり、簡単に実施することはできなかったといいます。
とにかく事故だけは起こさないよう配慮するということで細かなレギュレーションを設定し、なんとか国土交通省の認可を取得。日本初となる有料道路を封鎖したイベントは、国内トップクラスのプロレーサーをドライバーに起用し、救急車を配備、消火器を積んだセーフティーカーも同時走行させるなど、安全に万全を期する体制で行われました。
「それでも危険なことです。一般の方は真似はしないでください」と、高田さんは言います。そこまでして、なぜ開催したのでしょうか。
「今回の企画はもちろんエンターテインメント性を追求していますが、やみくもにスピードを出すことを啓蒙しているわけではありません」と言う高田さん。そしてモーターカルチャー雑誌として真摯に「スピード」と向き合うこと、文化として「車のスピード」を伝えること、という目的があるといいます。
もちろん一般の道路で制限速度を守ることは当然のこと。ただ、今の日本では「スピード=悪」というイメージもあり、自動車の訴求ポイントは自動停止システムなどに集約されている状況です。そこでこのままでは「自動車のスピード」というものの価値がなくなってしまうのではないかという危惧もあり、このムービーと雑誌の特集を企画したそうです。