VW新型「ティグアン」はどう進化? 日本上陸した欧州ナンバーワンSUVの実力とは
2021年5月12日に日本に上陸した改良新型「ティグアン」。2017年に日本導入された第2世代ティグアンはMQBプラットフォームを採用し、これまでに日本で1万7012台を販売したVWのラインナップを代表するSUVモデルになっている。今回のマイナーチェンジでは内外装を一新、より洗練されただけでなく、搭載エンジンも変更された。その走りはどう変わったのだろうか。
1.5TSIに排気量アップ 従来に比べて燃費が19%向上
世界的に、クルマの流行がセダンからSUVに移ってから久しい。
フォルスワーゲン(VW)は現在、日本においては「T-クロス」「T-ロック」「ティグアン」という3車種のSUVモデルを用意している。さらに「ゴルフトゥーラン」「シャラン」を加えると、そのラインナップは充実している。
VWのSUVラインナップのなかで、世界的にもっとも売れているのがこのティグアンで、ヨーロッパではすべてのSUVのなかで登録台数のトップになっているという。
MQBプラットフォームを採用し2世代目になったティグアンは、2017年には約77万台、2018年は約86万台、2019年は約91万台と、世界生産台数を順調に伸ばしている。2019年には「ゴルフ」や「ポロ」などをおさえ、VWブランドでのベストセラーモデルになっている。
スバルの2019年の世界生産台数が約99万台ということを考えると、ティグアンの生産台数の多さがわかるだろう。
そのティグアンがマイナーチェンジを施して登場した。
エンジンは従来の1.4TSIから新世代の1.5TSIに変わり、トランスミッションは6速から7速DSGを採用するなどパワートレインの刷新。さらに新しいLEDマトリックスヘッドライト「IQライト」の採用とともに新デザインになったフロントエンド、常時コネクティッドの新世代インフォテイメントシステム「Ready 2 Discover」および「Discover Pro」を採用し、コネクティビティを強化することで、安全性・快適性・利便性の全方位にわたって進化を遂げている。
また今回のマイナーチェンジでは、フォルクスワーゲンのSUVとして初めて高性能スポーツモデル「ティグアンR」が追加された。320psを発揮する2.0TSIエンジンを搭載、新開発の4輪駆動システムを採用したフォルクスワーゲンのSUVラインナップの新しいフラッグシップになる。
今回は、ティグアンTSIエレガンスに試乗できたので、そのインプレッションをお伝えしよう。
エンジンは従来型の1.4TSIから、新型では1.5TSIへと排気量がアップしたが、最高出力や最大トルクの数値に変化はない。1.4TSI(CZD型)が最高出力150ps/5000-6000rpm、最大トルク250Nm/1500-3500rpmだったが、1.5TSI(DPC型)に変わってからも最高出力、最大トルク、発生回転数の数値はまったく同じだ。
しかし燃費は格段に良くなり、JC08モード燃費で比べる(従来型はWLTCのデータがないため)と、1.4TSIが13.0km/Lだったものが、1.5TSIは15.5km/Lとおよそ19%も向上している。
これは、同じ出力を出すのに排気量が大きくなったために余裕ができたこともあるかもしれないが、影響が大きいのは停止時の自動アイドリングストップシステム、走行シーンに応じて4気筒から2気筒に切り替える気筒休止システム、6速から7速に増えたトランスミッションDSG(DCT)の効果が考えられる。
欧州で最も売れているSUVはルノーキャプチャーのはずですが…?