さすがにハードルが高かった? 先代を越えられなかったモデル5選
これまで販売されたクルマのなかには、大ヒットを記録したモデルがあります。大ヒット車はメーカーにとっても大いにありがたいことですが、大変なのが次の世代のモデルではないでしょうか。そこで、大ヒットした先代を越えられなかったクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
偉大な先代を越えられなかったクルマを振り返る
世の中には大ヒットしたクルマがあります。そうしたクルマは単に出来が良いだけでなく、その時代の経済状態やニーズの変化などさまざまな要因が重なって、ヒットに至ったといえます。
ヒット作になるということはメーカーにとってもありがたいことですが、大変なのがその次の世代のモデルです。ヒットしたモデルからキープコンセプトとするのか、それともガラッと一新するのかは悩みどころではないでしょうか。
実際には次世代も大ヒットするケースはあまり多くなく、むしろ評価を落としてしまったモデルも存在。
そこで、大ヒットした先代を越えられなかったクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●日産6代目「シルビア」
かつて日産のスペシャリティカーの1台だった「シルビア」は、1988年に発売された5代目が大ヒットし、スポーツカー兼デートカーというイメージを確立しました。
この5代目のヒットを受けて1993年に登場した6代目は、コンセプトは5代目を踏襲していましたが、当時のトレンドだった3ナンバーサイズにボディを拡大。
搭載されたエンジンは、トップブレードに最高出力220馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボが設定され、熟成されたサスペンションセッティングと相まって、走行性能が5代目から格段にアップしました。
しかし、クーペ人気の低迷に加え、スマートな印象だった5代目に対して大型化して丸みを帯びた6代目のボディは、視覚的にスピーディな印象ではなく販売は低迷してしまいます。
そこで、1996年のマイナーチェンジでフロントフェイスをシャープなデザインに一新するテコ入れがおこなわれましたが、販売は伸び悩んだまま1999年に7代目へとモデルチェンジしました。
新車当時は人気がいまひとつだった6代目シルビアですが、走行性能が優れていながら中古車が比較的安いということもあり、生産終了後にチューニングベースとして人気となる皮肉な結果となってしまいました。
●ホンダ4代目「プレリュード」
前出の5代目シルビアと人気を二分したデートカーといえば、1987年に発売されたホンダ3代目「プレリュード」です。
ワイド&ローを基調としたシャープなクーペボディに世界初の4輪操舵を搭載するなど、デザインも技術も最先端のモデルとなっていました。
そして、バブル景気末期の1991年に、4代目が登場。ボディサイズは全長4440mm×全幅1765mm×全高1290mmと全車3ナンバーになり、外観の印象もボリューム感がある2ドアクーペへと生まれ変わります。
エンジンは全車2.2リッターDOHCとなり、トップグレードの「Si VTEC」には200馬力を発揮する2.2リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載。4WSも3代目の機械式から電子制御へとグレードアップしました。
しかし、奇しくも6代目シルビアと同じく大型化したボディは不評で、クーペ人気低迷も重なって販売は低迷。
1996年に3代目を彷彿とさせるシャープなデザインの5代目へバトンタッチされますが、もはやクーペのニーズはわずかで、さらに販売が低迷し、2001年に生産を終了してプレリュードの歴史は幕を閉じました。
●マツダ2代目「ロードスター」
1989年に発売されたマツダ(ユーノス)初代「ロードスター」は日本のみならず海外でも大ヒットし、世界的に需要が低迷していたライトウェイトオープン2シーターの人気を復活させた立役者です。
そして、1998年に発売された2代目ロードスターは初代からキープコンセプトとされつつも、ボディは前後のデザインが一新され、とくにフロントはリトラクタブルヘッドライトから固定式に変わったことで印象が異なります。
また、エンジンの出力アップやサスペンションセッティングの見直し、シャシ剛性の向上がおこなわれた結果、走行性能は進化。
さらに、2003年には、最高出力172馬力を発揮するシリーズ唯一のターボ仕様「ロードスター ターボ」や、クローズドボディのコンプリートカー「ロードスター クーペ」が登場するなど、初代にはないバリエーション展開がおこなわれました。
こうして、2代目ロードスター確実に進化を果たしたといえますが、初代とくらべて精悍さが弱くなった外観や若干の重量増は否めず、初代を超えるヒット作にはなりませんでした。
現在は初代と3代目の中古車価格が高騰していますが、2代目はそれほどでもなく、ある意味狙い目です。
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