欧州で登場したルノー新型「カングー」 いま買うべきか 待つべきか!? 現行型やライバルと比較

フランスでは2021年4月1日より受注が開始されたルノー新型「カングー」。およそ14年ぶりとなるフルモデルチェンジで、より大きく、より先進運転支援システムも充実している。そんな新型カングーの日本でのリリースは未定だが、新型と現行型ではどんな違いがあるのだろうか。いま現行型カングーを買うべきなのか、それとも新型を待つべきなのだろうか。

新型カングーのライバルはなに?

 次いで比較したいのが、ルノー以外のライバルたちだ。その筆頭となるのが、シトロエン「ベルランゴ」とプジョー「リフター」という兄弟車になるだろう。

シトロエン「ベルランゴ」の走り
シトロエン「ベルランゴ」の走り

 この2台は、どちらも左右後席のスライドドアを持つ2列シートのミニバンであり、カングーの直接のライバル車となる。

 ボディサイズは、ベルランゴが全長4405mm×全幅1850mm×全高1850mm、リフターが全長4405mm×全幅1850mm×全高1880mm。つまり、現行カングーよりも全長で125mm、全高も40mmから70mm大きいけれど、新型カングーよりはおよそ70mm幅が狭く、約80mm全長が短いことになる。

プジョー「リフター」の走り
プジョー「リフター」の走り

 搭載するのは、最高出力130ps・最大トルク300Nmの1.5リッター直列4気筒ディーゼルエンジン。これに8速ATを組み合わせる。

 車両価格はベルランゴが317万円から、リフターが339万円からとなる。いまどきの新型車らしく、衝突被害軽減自動ブレーキなどの先進運転支援システムを搭載しているのも特徴だ。また、車室内の天井中央に前席から後席まで続く、フローティングアーチと呼ぶ棚があったり、荷室天井部に収納ボックスを備えるなど、カングー同様に凝った収納スペースが用意されているのも特徴だ。

 ただし、サイズや価格帯、先進運転支援システムの内容などを考慮すると、ライバルとしては、現行型カングーというよりも新型カングーが妥当だろう。

 また、シトロエンやプジョー以外からもカングーのライバルが登場する。それが久しぶりの日本市場復帰を宣言したオペルだ。

 2021年に復帰するオペルのラインナップに、後席スライドドアのミニバン「コンボライフ」が存在しているのだ。そして、このコンボライフは、ベルランゴとリフターの兄弟車となる。じつは現在のオペルは、シトロエンとプジョーと同じ、PSAグループ(現ステランティス)の一員となっているのだ。

 つまり、コンボライフの内容的にはベルランゴとリフターと同じで、顔つきがオペル風になるというわけだ。

2021年にも日本に上陸する予定のオペル「コンボライフ」
2021年にも日本に上陸する予定のオペル「コンボライフ」

* * *

 振り返ってみれば、カングーは現行型か新型か? というだけでなく、ベルランゴやリフター、それともコンボライフ? というライバル伯仲という状況になっていたのだ。

 とはいえ、グループPSAのライバルたちは、みな300万円台であり、本来的には新型カングーが対戦相手となる。

 逆に現行型カングーは、それらよりも100万円ほども安く、しかも小さい。衝突軽減自動ブレーキなどの先進運転支援システムはないけれど、お手頃価格で扱いやすい現行カングーを今狙うのは、十分にアリだと思う。

「モデル末期のカングーは人気が高い」というのも当然のことなのではないだろうか。

【画像】ルノー新型「カングー」とそのライバルを比較! (40枚)

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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