1500馬力を馬の図案で表現! エルメスとブガッティが本気で作った究極の「シロン」とは

ブガッティとエルメスのコラボによる至高の1台

 シロン・アビール・ペル・エルメスのディテールを見ていこう。エクステリア、インテリア、ユニークなディテール等々を見れば、モルスハイムとパリのチームが、カスタムカラーやファブリック素材の使用を可能とするために多大な情熱を持ってその開発に取り組んできたことすぐさま理解できる。

 基調色は、エルメスの伝統的なバッグや、ほかの高級アイテムで有名になった「クレイエ」である。オフホワイトのチョーク由来のこのカラーは、シロンのエクステリアを完全に包み込み、きわめて上品なフィニッシュを見せている。

エルメスとブガッティがコラボした「シロン・アビール・ペル・エルメス」
エルメスとブガッティがコラボした「シロン・アビール・ペル・エルメス」

 このメインのエクステリアカラーに加えて、リアバンパーやすべてのメッシュカバー、トリムパーツ、ブガッティの「クラッシック」ホイールといったアイテムも、すべてクレイエ・カラーで仕上げられている。

 フロントの馬蹄型グリルは、エルメスの「H」モノグラムでカスタマイズされたものだ。ほかのグリル類もオリジナルのシロンのそれとは異なり、エルメス流の美しい造形でまとめられている。

 リアウイングの下面には、これもエルメスの伝統的なモチーフである上品な曲線と馬が描かれており、リアミッドに搭載される1500ps仕様のW型16気筒+4ターボエンジンの比類なき性能を象徴するために、コシュビン氏自身が馬とともにエルメスの製品でよくモチーフとされる「Courbette(曲線)」の文字を選択。ここにエルメスのひとつの偉大な作が完成した。

 インテリアに使用されているパーツのほとんどすべては、エルメスによって個性にさらに磨きがかけられた。

 ボディカラーのクレイエが使用されるのは、シート、ミドルコンソール、インナーシグネチャーライン、ルーフ、リアパネルなど。コシュビン氏はオプションの「スカイビュー」ガラスウインドウを選択しているので、車内は常に明るく開放的な雰囲気に満たされる。

 そのほかのインテリアまわりの「エクリュ」(ベージュ)色のレザーも、もちろん世界最高品質のものである。カーペットもベージュ系の色で仕上げられ、広範囲に及ぶテストが製造過程では繰り返され、最高品質の基準を満たしていることが確認されている。

 コシュビン氏は、この特別なシロンの製作過程を振り返り、こうコメントした。

「このシロンのオーダーには、パリのエルメスに2回足を運ぶことになりました。自分が理想とするデザインとインテリアの実現、そして進歩を確認することが、その目的には含まれていました。

 私自身、エルメスのチームとブガッティのデザイナーの間で、何百ものメールを交換しました。結果的に時間をかけてクルマを手に入れることになりましたが、それは英断でありました。

 このクルマはいつか息子に引き継ぐことになり、また何世代にもわたって引き継がれることになるでしょう。これを実現してくれたブガッティとエルメスのチームには心から感謝しています」

【画像】エルメスが仕立てた上品で美しいブガッティ「シロン」とは(22枚)

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