新車市場は上向き? 新型コロナ禍の1年 2020年4月は販売前年比100%超え多数も
各社で異なる新型コロナ禍の対応…影響はどれほどだった?
日産は、2020年3月に軽自動車「ルークス」、6月に10年ぶりのブランニューモデルとなったコンパクトSUV「キックス」、12月には3代目となった主力コンパクカー「ノート」を発売しています。
キックスとノートに共通するのは、ガソリン車を設定せず、全車ハイブリッド車(e-POWER)のラインナップという部分です。
こうした新車投入と新型コロナ禍ではどのような販売状況だったのでしょうか。首都圏の日産販売店スタッフは次のように説明しています。
「全体的に新型コロナ禍の影響は大きく受けていると思います。
2020年3月に発売されたルークスは本来であれば大々的に宣伝をおこない、DMなどで来店促進を図りたかったのですが、緊急事態宣言もあり大きな宣伝は出来なかったのが実情です。
キックスに関しては、日本仕様が2WDかつe-POWERのみということもあり、ガソリン車や4WDを望まれるお客さまの要望に答えられないうえに、タイで生産している関係上、納車に時間が掛かっていたなど、正直売りづらい部分はありました。
また、ノートに関してもガソリン車が設定されないことでお客さまの検討ハードルが上がってしまったこと、4WDの発売が半導体の影響もあり遅れたことで、こちらも適切な時期に積極的な宣伝がおこなえませんでした。
半導体に関してはほかの自動車メーカーも影響を受けていると聞きますが、これも新型コロナ禍の影響による需要バランスが要因だといいますので、やはり新型コロナの影響は大きいと思います」
またスバルは、2020年10月に発表した2代目「レヴォーグ」が、ステーションワゴンジャンルが低迷するなかで大きな話題となり、当初の目標台数を上回る販売台数となっています。
新型コロナ禍の影響について、スバルの販売店スタッフは次のように話しています。
「2019年は10月にレヴォーグのプロトタイプがお披露目され、2021年8月に先行予約開始、実際の納車開始は11月と時間を掛けて宣伝してきました。
また、XVやインプレッサ、フォレスターなどの商品改良も10月だったこともあり、最初の緊急事態宣言ではそれほどまで影響はなかったと思います」
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マツダは、2020年にコンパクトSUV「MX-30」のマイルドハイブリッド車、2021年1月にMX-30の電気自動車をラインナップに加えています。
実際の販売動向について、マツダの販売店スタッフは次のように話しています。
「最近ではMX-30が大きな目玉となりますが、販売面ではイマイチ伸び悩んでおります。
実用的な使い勝手の部分でフリースタイルドア(観音開き)がネックになるのと、総合的なパッケージとしては同等サイズのCX-30にお客さまは流れている印象です」
また、2021年5月11日に「ラリーアート」ブランドの復活を明言した三菱では、新型コロナ禍でどのような状況だったのでしょうか。三菱の販売店では次のように説明しています。
「2020年3月に軽スーパーハイトワゴンといわれるeKスペースとeKクロススペースを発売しました。
しかし、すぐに緊急事態宣言となったこともあり、思うような宣伝は出来なかったものの、6月以降からは室内空間の広さとアウトドア風のデザインを持つeKクロススペースのお問合せが増えた印象があります。
2020年末にはエクリプスクロスのディーゼルが廃止されて、新たにPHEVが発売されました。試乗されたお客さまからは好評の声を頂いております」
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2021年5月中旬現在、東京都、京都府、大阪府、兵庫県、愛知県、福岡県に緊急事態宣言が発出されています。
また、沖縄県、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛媛県、北海道、岐阜県、三重県にまん延防止等重点措置が出ていますが、今後さらなる地域の拡大も考えられます。
そうしたなかで、新車市場では最初の緊急事態宣言よりは積極的な販売展開がおこなえているようです。
2021年も中盤に差し掛かりつつありますが、2022年の今頃には新型コロナも終焉して、前年比で2021年をさらに上回る販売台数を誇って欲しいものです。
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