シリーズ最後のFRは大ヒットを記録! 「技術の日産」を具現化した「910型ブルーバード」とは?
「ブルーバード、お前の時代だ」で知られる最後の後輪駆動を採用した日産「910型 ブルーバード」は、操縦安定性と乗り心地を両立した先進的な設計とスタイリッシュなデザインで人気を獲得。販売台数でもライバルのトヨタ「コロナ」に勝ち、「技術の日産」のイメージを揺るぎないものとしました。
新開発エンジンとスタイリッシュボディで「BC戦争」を戦ったブルーバード
かつて日産の主力車種といえば、小型車の「サニー」、スポーティモデルの「スカイライン」、そしてミドルクラスの「ブルーバード」という三本柱が存在。
この3車はトヨタとの販売合戦を繰り広げていましたが、なかでもブルーバードはトヨタ「コロナ」との「BC戦争」(Bはブルーバード、Cはコロナ)と呼ばれた熾烈な競争を展開していました。
そして、1979年には長い歴史を持つブルーバードシリーズの中でも、「技術の日産」のイメージを揺るぎないものにしたと言われる6代目910型 ブルーバードが誕生し、コロナとの戦いに勝つことになります。
そこで、いまも稀代の名車と語り継がれる910型 ブルーバードはどんなクルマだったのか、振り返ります。
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まずは、簡単にブルーバードの誕生から910型登場までを紐解きます。
1959年に誕生した初代310型 ブルーバードは、ダットサンブランドの本格的な量産型乗用車で、操縦性や乗り心地を大きく進化させた新時代のセダンとして登場。当時の日産の主力車種として販売されました。
1963年には2代目にモデルチェンジ。日産初のフルモノコックボディに進化した410型ブルーバードは、SUツインキャブを装備し65馬力を発揮した「1200SS」(SSはスポーツセダンの略称)や、さらにSUツインキャブ1.6リッターエンジンを搭載した「1600SSS」(スーパースポーツセダン)が登場し、基本性能と動力性能の進化が一気に加速します。
そして、本格的なアメリカ進出に成功した3代目 510型ブルーバードが1967年に登場。シャープなボディデザインから日米でヒットを記録し、コロナにも勝利。
そして4代目の610型では「ブルーバードU」として心機一転。2リッター直列6気筒エンジン車をラインナップするなど、ワンランク上の車格となり、5代目の810型では高級感のあるデザインを採用しますが、販売状況は芳しくありませんでした。
ライバルである5代目コロナは小型乗用車クラスで35か月連続販売台数1位を記録し、1978年にモデルチェンジされた6代目コロナも絶好調をキープ。
そこで、日産は当時の持てる技術を惜しみなく投入した、6代目910型 ブルーバードを1979年11月に発売しました。
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