高速道路で右車線を走るトラックがいるのはなぜ? ゆっくり追い越しするのには理由があった
高速道路でトラックは、基本的に1番左側の「第一走行車線」を走行するようにと看板が掲げられている区間があります。それでもときどき、右側の追い越し車線などを走行するトラックを見かけます。トラックが右側の車線を走ることがあるのはなぜなのでしょうか。
トラックの走行区分 高速道路は左なのに一般道は右!?
高速道路では、トラックが描かれた標識を目にすることがあります。これは基本的にこの区間ではトラックは1番左側の「第一車両通行帯(以下、走行車線)」を走行するようにと指示されたものです。
それでもときどき、右側の追い越し車線などを走行しているトラックを見かけることがあります。しかもその追い越し速度がゆっくりで、後続車が詰まってしまうケースが多いものです。
高速道路でトラックが第二通行帯(右側の走行車線)を走行することは、違反ではないのでしょうか。

高速道路の走行区分ですが、道路の法律である「道路交通法」の第20条には「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」と定められています。
クルマやバイクは原則として1番左側の車線を走るというもので、法的には右側の車線(3車線以上ある場合は1番右側)は前走車の追い越しのための車線となり、「追い越しが完了したらすみやかに左側車線に戻らなければならない」ということになります。
とくにトラックの場合、「特定の種類の車両の通行区分」の標識が出ている区間はその車線しか走行できないことになっています。
また標識がなくても原則として左側車線を走行しなければいけないことになっており、右側車線を走行しているトラックはあくまで追い越し中ということです。
もちろん一般的な乗用車でも右側車線(追越車線)を走り続けることは違反で、最近では「通行帯違反」をメインに取り締まる覆面パトカーが増えているような印象も受けます。
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高速道路ではトラックは1番左側を走るようにという標識が出ていますが、一般道では事情が違い、トラックなどの「特定の種類の車両の通行区分」の標識が右側車線についている一般道があります。
高速道路では左側なのに、一般道では右側を走るように指示されるのはどういうことなのでしょうか。
これは環境対策の一環だといわれています。トラックが右側(中央寄り)を走ることで、道路の沿線から騒音や振動、排ガスを少しでも遠ざける狙いがあります。
また歩道と車道の間にある街路樹などの接触から大型車両を遠ざける目的もあるでしょう。
左側車線と右側車線は僅かな差ですが、それでも騒音は数dB違うとの調査報告もあり、周囲の環境への影響がかなり違ってくるようです。
さらに、「特定の種類の車両の通行区分」によっては曜日や時間帯で通行禁止となる区間もあります。
たとえば東京の23区をぐるりと囲む環状7号線などは、土曜日の夜22時から日曜日の朝7時まで大型貨物・特定中型貨物・大型特殊の通行が禁止されています。これも、騒音や振動への対策のひとつです。
もちろん、トラックが左折するために車線を変更するのは合法です。少しでも先に行くために車線変更を繰り返したり、左側車線を使用しての追い越しなどは禁止されているということです。













