熊本地震による崩落から5年 阿蘇地区の国道が完全復旧! 工期を大幅短縮できた意外な理由とは
新阿蘇大橋が予定より1年4か月早く完成
そして、崩落した阿蘇大橋に代わって、黒川の下流側に約600m離れた場所に延長525mの新しい阿蘇大橋が2021年3月7日に開通しました。
国道57号線の復旧と併せて、熊本ICから南阿蘇村役場間の所要時間が、震災直後と比べて約半分の時間に短縮されます。
国道57号線と同様に、こちらも新しい施工技術の採用や3交代24時間での施工をおこなうなどして、1年4か月早く完成させることができました。将来的な地震発生に備え、機能回復性を高めた構造的な工夫も特徴です、
そして、もうひとつ、工期が短縮できた納得の理由がありました。それは「現場の作業員に1人も新型コロナ感染者が出なかった」ということです。
感染者が1人でも出ると最低でも2週間は作業が止まってしまいますが、感染者ゼロで無事に予定通りの工期で完成したのです。
「間隔をあけての作業や手洗い・うがい、非接触の体温計で毎日の体温測定や健康チェックなど、対策は一般的なものでしたが、関係者以外と接する機会が少ない山奥での作業ということも良かったのでしょう。
夏場は熱中症予防のため、マスクを着用しつつもファンのついた作業服を支給するなどして猛暑のなかでも快適に安全に作業ができるよう配慮しました。
何よりも現場の作業員全員が『工事を止めるわけにはいかない!』という意識のもと、一丸となって新型コロナ対策に取り組んだことが良かったと思います」(九州地方整備局 熊本復興事務所)
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新しい阿蘇大橋も無事開通し、国道57号線も2本同時に開通。阿蘇観光の目玉といえる阿蘇山(阿蘇中岳)も現在は警報レベル1となっており、火口のすぐ近くまでクルマで行くことが可能です。
新緑のなか、密を避けて快適で安全な阿蘇ドライブが楽しめそうです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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