年間約5万件!? 意外と多い「ロードキル」 車と動物の事故を防ぐ対策とは?
道路に野生動物が飛び出して避けきれずに起きる事故、いわゆる「ロードキル」が意外と多く発生します。ロードキルの対策や、轢いてしまったときの対処法について調査しました。
「ロードキル」は年間約5万件も高速道路で発生している!?
クルマを運転中に動物が突然飛び出してきたことで接触事故となる通称「ロードキル」の被害に遭うケースが多いといわれています。
とくに春から初夏にかけては人々の往来だけでなく動物や鳥類の活動も盛んになり、高速道路にも侵入する動物との接触事故は、一歩間違えれば大惨事になる可能性もあります。
高速道路で施されている対策や、轢いた場合の対処法などを、NEXCO東日本に聞いてみました。
全国でのロードキル発生件数を確認してみます。NEXCO3社(東日本・中日本・西日本)および本四高速、首都高速、阪神高速でのロードキル発生件数は、2002年には約3万6000件だったのに対し、2018年には約4万7400件まで増加するなど、年間5万件近い接触事故が報告されています。
ロードキルの犠牲動物で圧倒的に多いのがタヌキで、以下ネコ、ウサギ、イタチといった小動物、またトビやカラスなどの鳥類も多く報告されています。
さらに北海道などでは大型動物のシカとの衝突事故も年間で約2000件報告されており、なかにはドライバーが死亡する事故まで報告されています(日本道路公団調べ)。
国土交通省国土技術政策総合研究所のリポートによれば、道路に侵入、横断しようとした動物との接触事故だけでなく、このロードキルで死亡した動物の屍肉を求めて飛来したトビやカラスを轢いてしまう、「二次的ロードキル」も発生しているそうです。
ロードキルが増加している原因としては、近年開通した高速道路は野生動物の数が多い山間部を通過するケースが多く、彼らの生活圏を分断した結果として道路上に動物が侵入するパターンが多いといわれています。
とくに繁殖期には通常以上に行動範囲が広がり、子が親の生活圏を出て遠方への移動を余儀なくされる巣立ちが増えるため、道路を横断するケースが増えると報告されています。
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高速道路・一般道路に関わらずロードキルで発生してしまった接触事故は、自動車保険会社では「物損事故」扱いとなります。
自動車保険自体は適応可能ですが、車両保険に未加入の場合、修理代はすべて自己負担。さらにロードキルでほかの物や人などに二次的な被害が発生した場合は、事故に遭ったドライバーの責任となるようです。
シカなどの大型動物との衝突事故による修理額(車両保険での支払額)は平均でも50万円をオーバーしているようです。
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