フェラーリ最後の自然吸気V12モデル!? 争奪戦間違いなしのリミテッドエディション登場
フェラーリのフラッグシップであるV12搭載FRモデルの「812」シリーズに、最終進化版といえるリミテッド・エディションが登場する。事前発表された資料から、どのようなクルマであるのかを解説しよう。
「812」シリーズの最終進化形か!?
2021年4月21日、ワールドプレミアに先立って、フェラーリの最新リミテッド・エディション・スペシャルシリーズの公式写真が公開された。
ワールドプレミアは、5月5日21:30(日本時間)にフェラーリのSNSチャンネルでライブ配信され、正式名称をはじめとする詳細な情報が発表される予定だ。
●見た目は超スパルタン!
かねてより「812スーパーファスト」のスペチアーレ的なモデルで、「F12」から続くシリーズのファイナルを飾るリミテッドモデルの登場が噂されていたが、ようやくその姿が公になった。
公開されたオフィシャル写真を見ると、徹底的なエアロダイナミクスの研究によってボディラインが大きく変わったことが分かる。
エアロダイナミクスのエンジニアは、フェラーリ・スタイリング・センターと密接に連携して、公道仕様の車両には前例のないシルエットを持つ過激なフォルムをソリューションとして採用した。今回ダウンフォースレベルを最大化するため、車両全体のエアロダイナミクスを再設計することになった。
新しいフロント・エアインテークやリアのディフューザー、エグゾーストの構成はもちろんのこと、新たにボルテックス・ジェネレーターを装着した特許取得のリアスクリーンのデザインまで、あらゆる変更点が、「形状は常に機能に従わなければならない」というフェラーリの理念を忠実に守った結果である。
この新スペシャルシリーズは完全に独立した強い個性を持ち、ベースとなった812スーパーファストとは明確に差別化されているのが分かる。
もっとも特徴的なのが、リアスクリーンをガラスではなく一体成形のアルミニウム構造としたことだ。ここに装備するボルテックス・ジェネレーターには、車体の空力効率を高める働きがあるが、それだけでなく、ルーフと完全に一体となるデザイン・ソリューションを選んだことで、車両の彫刻的フォルムがより一層強調されることとなった。
さらに特徴的なのが、ボンネットを横切るカーボンファイバー製ブレードである。このブレードとアルミニウム製リアスクリーンによって、全体的な印象が大幅に変化した。
カーボンファイバー製ブレードは、ボンネットを短く見せるとともに車幅を強調する役割もある。また、アルミニウム製リアスクリーンは、テールをより力強いファストバックに見せている。
こうしたことにより、シルエットやプロポーション、フォーマルなバランスは812スーパーファストと共有しながらも、よりコンパクトなコンペティション・カーのような印象が強まっているのだ。
ダッグテール形状のリアスポイラーは位置が高くなったことに加えて、リアフェンダーから回り込むようなデザインとすることで、テールが非常にワイドで力強く見えるようになった。
ん〜マンダム