新型ヴェゼルSNSで賛否も「話題性が大事」 ホンダ主力SUV約7年半ぶり全面刷新! 外観は近未来を意識

走りはどう? 初代では賛否あったが…新型は?

 走りの部分の進化はどうでしょう。

 初代はSUVを感じさせない元気な走りが魅力でしたが、その一方で乗り心地に関してはユーザーからの指摘が多かったのも事実です。

 その辺りは熟成に加えて「RS」や「ツーリング」といった新グレード追加でカバーしてきましたが、逆をいえば「どれがベスト」なのか解りにくかったのも事実です。新型はどこを目指したのでしょうか。

「初代は日本が初導入、海外向けモデルは後から展開されました。

 そこで得た知見や技術的な性能アップを水平展開したのがRSでありツーリングでした。

 それ以上となると、フルモデルチェンジでなければできない部分を中心に手を入れています。

 例えば、ボディは剛性だけでなくバランスや各部品の接地点の見直し、バネの固有値、低フリクションダンパー、リアのコンプライアンスブッシュなどなど、細かい部分まで手を入れています。

 乗り味という意味では、電動パワートレインのシームレスな走りをより感じてもらうために、フラットライドと雑味の無いスムーズな足の動きにこだわりました」(岡部氏)

 最近のホンダの走りは、軽自動車のN-WGNから変わり、その流れはコンパクトカーのフィットや、電気自動車の「ホンダe」も踏襲しています。

 具体的にいうと、従来はよくいえば元気、悪くいえば初期応答重視で過剰演出でしたが、今は自然で滑らかな動きを重視しているように感じます。

「新型は乗り味のバランスを取りつつも、ホンダらしい走りの実現のために全ての性能を底上げできたと思っています。

 その中なかでも『クルマの動きの繋がり』に関しては、かなりこだわった部分ですね。

 初代はセット違いが色々ありましたが、新型は日本向けも海外向けも共通の1スペックで勝負しています」(岡部氏)

ハイブリッドシステムとリアルタイムAEDを組み合わせシームレスな走りを実現した
ハイブリッドシステムとリアルタイムAEDを組み合わせシームレスな走りを実現した

 ちなみに新型のタイヤはミシュラン・プライマシー4を装着しています。筆者の経験上「デビュー当初からミシュランを履くホンダ車は本気」は間違いなく、走りに関しても期待出来そうです。

 新型のグランドコンセプトは「AMP UP YOUR LIFE(あなたの生活を増幅させる)」です。

 その実現のためにスペックや機能だけでなく、数値には表れにくい部分にまでこだわっていることが岡部氏の話からわかりました。

 メーカーやモデルに関わらず、初代から2代目に変わるときは、既存オーナーや新規ユーザーから大きな関心が集まり、思った以上の成果が出せないことも多々ありますが、このクルマには「2代目のジンクス」はなさそうです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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