新型ヴェゼルSNSで賛否も「話題性が大事」 ホンダ主力SUV約7年半ぶり全面刷新! 外観は近未来を意識

日本の新車市場(SUVジャンル)において、過去4度の王者となったホンダ「ヴェゼル」が2代目へとフルモデルチェンジして2021年4月23日に発売されます。先行して公開された際にはマツダ「CX-5」やトヨタ「ハリアー」に似ているという声が相次ぎSNSでは「CX-ハリアー」がトレンド上位に入ったほどです。あらゆる面で注目を集める新型ヴェゼルについて、開発責任者の生の声からその本質を解説していきます。

SNSで意外な方向で話題に! 外観は近未来を意識?

 ホンダのコンパクトSUVとなる新型「ヴェゼル」が2021年4月22日に正式発表(23日発売)されました。
 
 2代目となった新型ヴェゼルが同年2月18日に世界初公開されてから2か月、SNSなどでも大きな話題となりましたが、開発責任者・岡部宏二郎氏はどのような想いで新型ヴェゼルを世に送り出したのでしょうか。

ホンダのグローバル市場を支える「ヴェゼル(海外名:HR-V)」はどのような進化を遂げたのか?
ホンダのグローバル市場を支える「ヴェゼル(海外名:HR-V)」はどのような進化を遂げたのか?

 新型は、2021年3月中旬から始まった先行受注も開始から2週間ほどで約1万5000台と、非常に良い滑り出しだと聞いています。

 2013年12月に発売され、7年半のロングライフモデルとなった初代は、当初は「フィット派生のクロスオーバー」と呼ばれていましたが、「フィット」より本命といわれるくらいの人気となりました。

 とくに日本市場では、2014年、2015年、2016年、2019年と4度にわたりSUVジャンルで1位を獲得しています。

 また、グローバルでも高く評価され、2020年11月時点で世界累計約384万台を販売するなど、短期間でホンダのエース的存在に成長しました。

 そんな初代を受け継いだ新型ですが、大ヒットモデルの次世代は保守的になりがちです。

 新型はある意味キープコンセプトだと思いますが、開発に際してどのようなテーマが掲げたのでしょうか。

「私は初代の開発も担当して、ずっと関わってきたので『ヴェゼルの良さ』は知っているつもりです。

 新型はそこをシッカリと継承しながらも、時代のニーズを織り込んだ進化をしています。いうなれば『今の時代にあったヴェゼル』ですね」(岡部氏)

 良くも悪くも過去を振り返らないといわれるホンダですが、初代から変えなかった所、逆に変えようと思った所はどのような部分なのでしょうか。

「初代はクロスオーバーの形を提案したモデルでした。

 それを端的にいうと『SUVの信頼感/パーソナル/使い勝手がいい』なのですが、新型はその価値は不変ですが、バランスを今の時代に合わせて最適化させました」(岡部氏)

 エクステリアは初代に対して「よりクーペライク」、「よりスタイリッシュ」と初代の進化形に思えますが、初代と見比べると似ているようで似ていない。キープコンセプトと思いきや、意外と攻めているように感じました。

「エクステリアはデザインの考え方は共通ですが、手法が異なります。

 初代はフロントからキャビンが『パーソナル』、車両下部は『SUV』を合体させたデザインですが、新型はそのふたつの要素をクルマ全体で考えたデザインになっています」(岡部氏)

 新型のデザインは、SNSで話題となり「CX-ハリアー」というキーワードがTwitterトレンド入りしました。

 これに関しては社内ではどのような反応だったのでしょうか。

「キーワードはともかく(笑)、注目されるのはいいと思いました。

 一番ダメなのは話題にならないことですからね。二次元だとディテールに目がいきがちですが、全体のプロポーションに目指した形が見えるので、是非実車をご覧になってください」(岡部氏)

 筆者(山本シンヤ)も初対面の際には、フロントグリルも含めて「えっ」と思ったのも事実ですが、時間が経つにつれて馴染んできて、逆に初代が野暮ったく感じてしまったほどです。

「実は社内でも最初は同様の印象を持つ人が多かったのですが、見ていくにつれて新型が目指した『洗練』がジワジワと浸透しました。

 ホンダのデザインはN-WGN/フィットを皮切りにシンプルな表現を始めていますが、ヴェゼルもその流れなのは当然のことです。

 さらに電動化の時代なので『先進』……つまり近未来感もプラスさせています」(岡部氏)

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