どうしてアウディはデザインの都ミラノでワールドプレミアを開催するのか

ミラノ在住の野口祐子レポーターが、ミラノの中心でアウディがおこなった「Q4 e-tron」の展示を紹介。どうしてアウディはミラノにこだわるのだろうか。

ミラノの中心にアウディの最新EVモデルが現る!

Writer:野口祐子(NOGUCHI Yuko)
Photographer:野口祐子(NOGUCHI Yuko)/AUDI Italia

 いつもならミラノでは毎年4月のこの時期にミラノサローネという大きなデザインイベントが開かれ、世界中から大勢のクリエーターが訪れていた。

 ミラノの街全体がイベント会場と化し、毎晩のように各地でパーティが開かれ、どこもかしこも人で溢れ、ミラノサローネは世界でもっとも注目されているデザインの祭典といわれている。しかし、残念ながらCOVID-19の影響で、2020年は開催することができず、2021年は秋に延期とアナウンスがあった。

Porta Nuova 地区でマリオ・クチネッラのプロジェクトによるインスタレーションがおこなわれ、アウディ「Q4 50 e−tronクワトロ」が展示された
Porta Nuova 地区でマリオ・クチネッラのプロジェクトによるインスタレーションがおこなわれ、アウディ「Q4 50 e−tronクワトロ」が展示された

 アウディはこのミラノサローネで毎回気鋭のデザイナーと組み、イベントをおこなっていた。2019年にはAsymptote建築スタジオと組み、平和門広場の前にアウディのクルマを並べ、革新的な充電ステーションを研究テーマにし、アウディのDNAであるフォーリングスで巨大なステーションを作るというインスタレーションをおこなった。

 未来へのエネルギーが感じられる素晴らしいロケーションとなった。アウディがどのデザイナーと組み、どのような形でブランドを表現するのか、毎年楽しみにしている人は多いだろう。

 2021年の現在も、依然としてパンデミックの真っ只中だ。イタリアは感染者状況に応じて州ごとに色分けし(ホワイト、イエロー、オレンジ、レッド)、感染防止対策をおこなっている。この色によって生活の行動範囲が制限されるのだ。

 ミラノがあるロンバルディア州は、ラッキーにも4月12日からオレンジになり、市内間においては宣誓書を持たずに行動が自由になった。しかもその週は小規模ではあるが、デザイン雑誌「Interni」主催の「ミラノ・デザインウィーク」(4月12日−23日)も予定されていた。

 マスクを着用し、人との距離を保ち、常に手の洗浄さえしていれば、心配せずにミラノ各地でおこなわれているデザイン・イベントを見て回ることができる。もっとも行動が制限されるレッドに戻るかもしれないが、いましばらくは街も活性化されるだろう。

 そしてアウディもその週の4月16日に、ニューモデルとなるアウディ「Q4 e-tron」のリアルなワールドプレミア・イベントを予定していた。

 ワールドプレミア会場は、ミラノ市が都市開発にもっとも力を入れているPorta Nuova地区にある世界から注目の的になっている建築「BoscoVerticale 」の26階である。

 イベント関係者はミラノがオレンジに指定され、肩の荷を下ろしたことだろう。

【画像】最新アウディが展示されたお洒落なミラノの街(23枚)

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