「技術の日産」をアピールした立役者! 日産「510型ブルーバード」を振り返る

1967年に発売された日産の三代目「ブルーバード」(510型)は、「BC戦争」とも呼ばれたトヨタ「コロナ」との販売競争に打ち勝つため、新開発のエンジンやスタイリッシュなボディデザインとなり、その後のほかの国産車にも影響を与えたといわれます。

新開発のエンジンとスタイリッシュボディでライバルと戦ったブルーバードを振り返る

 日産は1966年に発売した「サニー」をエントリーモデルとしたことで、上級クラスに移行した3代目「ブルーバード」(510型)を1967年に発売しました。

 1964年に登場したトヨタ3代目「コロナ」に販売台数で負けてしまったこともあり、スタイリッシュなデザインのボディに新開発のL型エンジンを搭載するなど、首位奪還を狙ったモデルです。

日産車だけでなく日本車が世界進出する礎となった「510型 ブルーバード」
日産車だけでなく日本車が世界進出する礎となった「510型 ブルーバード」

 当時、ブルーバードとコロナの販売競争は「BC戦争」(Bはブルーバード、Cはコロナ)と呼ばれ、コロナとの販売競争を繰り広げました。

 当時としては珍しい四輪独立懸架を採用した510型ブルーバードは、長い歴史を持つブルーバードシリーズのなかでも、「技術の日産」のイメージを定着させた1台だったといえます。

 そこで、いまも稀代の名車と語り継がれる510型ブルーバードはどんなクルマだったのか、振り返ります。

※ ※ ※

 まずは、ブルーバードの誕生から510型登場までを紐解きます。

 1959年に誕生した310型初代ブルーバードは、ダットサンブランドの本格的な量産型乗用車で、前輪の左右独立懸架方式を採用して、操縦性や乗り心地を大きく進化させました。

 ダットサントラックと主要部品の多くを共有しながら、ラダーフレームを組み合わせたセミモノコックボディとすることで必要な強度を確保しながら軽量化も達成し、当時の日産の主力車種となります。

 1963年には日産初のフルモノコックボディに進化した2代目の410型にモデルチェンジ。1.2リッターエンジン搭載車にはクラッチ操作が不要なドイツ・ザックス社の「サキソマット」オートクラッチが設定されていたり、1964年にはSUツインキャブで武装して65馬力を発揮した「1200SS」(SSはスポーツセダンの略称)を追加投入するなど、技術的にも意欲作でした。

 さらに1965年には1.2リッターモデルを1.3リッターに排気量アップし、90馬力を誇る1.6リッターSUツインキャブエンジンを搭載した「1600SSS」(スーパースポーツセダン)も登場。イージードライブからスポーティドライブまでをカバーしていました。

 しかし、410型ブルーバードは欧州車を意識した尻下がりに見えるボディラインが不評で、1965年にはスタイリッシュなデザインの3代目トヨタ「トヨペット・コロナ」に販売台数首位の座を奪われる事態となります。

 幅広いボディとエンジンバリエーションを展開した410型でしたが、前述のとおり販売台数首位奪還のため、1967年に3代目となる510型ブルーバードが投入されました。

【画像】洗練されたデザインが秀逸! 510ブルーバードをじっくり見る(21枚)

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