まさにSUVと電動車祭り? 上海モーターショーで話題となった車5選
「86」と同様にスバルと共同開発されたトヨタのSUVとは?
●トヨタ「bZ4X」
トヨタは上海モーターショーにおいて前述のクラウンクルーガーに加え、同車の兄弟車にあたる第4世代のSUV「ハイランダー」、そして完全に新型となる電動SUVの「bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」のコンセプトモデルを世界初公開しました。
bZ4Xはトヨタの「bZシリーズ」第一弾であり、パートナーの1社であるスバルと共同開発したSUVタイプのEVです。
外観は新型「ハリアー」をイメージさせるクーペスタイルで、EVならではのフロントグリルを最小限にしたシャープなフロントフェイスに、ルーフエンドのユニークな造形が特徴的です。
プラットフォームは、トヨタとスバルで共同開発したe-TNGA EV専用プラットフォームを採用。
電動化技術を得意とするトヨタと優れたAWD技術を持つスバル、両社の強みを投入して快適かつ楽しめる走りを実現するEVがコンセプトとなっています。
また、内装では操舵時に持ち変える必要がない異形ステアリングホイールを搭載し、同時にスムーズな運転感覚をもたらすステアバイワイヤも採用。
低いインストルメントパネルやステアリングホイール上方に配置したメーターが斬新で、開放感や視認性の向上にも寄与しています。
パワーユニットの詳細は未発表ですが、回生エネルギーの活用に加え、停車中でも充電が可能なソーラー充電システムを装備し、走行可能距離の向上を図っています。
bZ4Xをベースにした市販モデルは日本と中国での生産を予定しており、2022年中旬にはグローバルでの販売を開始する予定です。
●三菱「エアトレック」
三菱「エアトレック」といえば、2001年から2005年まで国内市場で販売されたクロスオーバーSUVで、セダンなどからの乗り換えでも違和感を覚えることのないドライブフィールと、日常での使い勝手の良さが特徴のモデルでした。
このエアトレックの16年ぶりとなる新型が、上海モーターショーで発表。ただし、実車の展示はなく、あくまでもデザインが発表されたのみです。
公開されたフロントフェイスは、三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用。「アウトランダー」よりも「デリカD:5」を彷彿とさせる力強さがあります。
また、リアビューではワイド感を強調するようなバンパーとテールゲートのデザインに、「T字」のLEDテールランプが斬新です。
パワーユニットはピュアEVであることのみが発表されていますが、「アウトランダーPHEV」や「エクリプスPHEV」によるモーター駆動のノウハウが生かされていることでしょう。
EVである新型エアトレックは2021年内に、中国市場で発売予定です。
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今回の上海モーターショーでは、各メーカーともSUVと電動車の出展がこれまで以上に増えました。
確かにSUVは世界的な流行であり、とくに中国では大型かつ高級なモデルが売れるとあって、各メーカーの力の入れ方は当然でしょう。
また、前述のとおり中国では脱内燃機関を進めているため、EVやPHEVが数多く登場するのも自然な流れです。
しかし、EVについては充電時間や航続可能距離、厳冬や酷暑での電費、充電インフラなどまだまだ改善するべき課題がたくさんあります。
メーカーとしてもつくらざるを得ないという事情は理解できますが、EVはまだ技術的に成熟していないことは知っておいたほうがいいかもしれません。
このエアトレックがアウトランダーPHEVの2年後のマイナーチェンジスタイルですって言ったら信じてしまいそう。こっちの方が格好良い。