600万円ならお買い得!! 国防省と共同開発した「ボウラー」のコンセプトモデルとは
ボウラーのほぼ未使用のコンセプトモデルの落札価格は?
CSPというプラットホームは、先にも書いたように、拡張性が特徴となっている。それを端的に表しているのが、今回VAGUEで紹介する「CSP R.I.Vコンセプト」だ。
●2017 ボウラー「CSP R.I.Vコンセプト」
CSP R.I.Vコンセプトは2017年に開催された、「Defense and Security Equipment International(防衛&セキュリティ機器インターナショナル)」という展示会で発表されたものだ。
車名のR.I.Vというのは「Rapid Intervention Vehicle(緊急対応車両)」を意味している。国防省との共同プロジェクトで生まれたこの車両は、ボウラーのCSPを利用し、兵員輸送やメディック、防衛車両としても拡張できるベース車のプロトタイプとなっている。
その拡張性の広さは、写真を見てもらえば分かりやすい。荷室部には架台や機器などを固定しやすいレールが設けられており、車室にはシートを増設できるようになっている。
CSPはモノコックボディではなくフレームにボディを載せる方式となっているため、ボディの形状を変えればプロトタイプのようなオープンボディではなく、クローズドボディにも変換が可能だ。
搭載しているエンジンとパワートレインはランドローバーから提供されたもので、最高出力300ps/最大トルク700Nmを誇るV型6気筒に、ZF社製8速ATを組み合わせたハイロー切り替え式AWDとなっている。
最大積載量は2トン。プロトタイプでは4名乗車となっているが、シートを増設すれば10名+機材は余裕で積載できるはずだ。後部にはトレーラーを接続するヒッチメンバーを取り付けるためのブラケットも設けられている。
サスペンションは、バンプ/リバウンドストロークを大きく取っていることから、ビルシュタイン製の別タンク式ショックアブソーバーが採用されている。
ブレーキシステムはブレンボ製。ECUの詳細は発表されていないが、タコメーターや速度計などのモニターがモーテック製であることから、おそらくはモーテックで制御していると思われる。
このCSP R.I.Vコンセプトは、そのスペックからいうと、アメリカでいうところのハンヴィー、日本でいうところの高機動車のような汎用装輪車両として計画されたものではないだろうか。
走行距離275kmという、試験走行もしていないであろうボウラーの軍用車両プロトタイプは、RMサザービズのオークションにおいて7万5000−10万ユーロ(邦貨換算約980万−1300万円)のエスティメートが付けられていたが、最終的には4万6200ユーロ(邦貨換算約600万円)で落札された。
エスティメートを大きく下回ったのは、公道走行するために高いハードルがあるプロトタイプであったことが要因しているだろう。しかし、それでも欲しいという数奇者がこの世には大勢いることも示した結果となった。
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