600万円ならお買い得!! 国防省と共同開発した「ボウラー」のコンセプトモデルとは

ラリーレイドで名をはした「ボウラー」が、国防省との共同プロジェクトで製作したコンセプトモデルは、どのような目的があって製作されたのだろうか。

英国の風土が生んだ「ボウラー」というメーカーとは

 イギリスというのは面白い国だと思う。伝統を非常に重んじるところがありながら、新規なものに対しても寛容だ。そういう点が個性的なクルマや飛行機、道具などをつくり出す原動力となっているのかもしれない。

 パンジャンドラムという第二次世界大戦中の試作兵器なんていうのは、それが悪いほうに転がった結果できてしまったかもしれないし、第一次世界大戦中に作られた試作戦車リトル・ウィリーから菱形戦車への進化というのは、いいほうに転がった結果なのだろう。

●2017 ボウラー「CSP R.I.Vコンセプト」

国防省との共同プロジェクトで生まれたボウラー「CSP R.I.Vコンセプト」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
国防省との共同プロジェクトで生まれたボウラー「CSP R.I.Vコンセプト」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 こうした風土のせいか、イギリスには規模が小さい自動車メーカーが数多く存在している。こうしたメーカーのひとつが「ボウラーモータース」である。

 ボウラーモータースは、主にラリーレイドに参戦するマシンを作っているメーカーだ。創業したのは1985年。創業者のドリュー・ボウラー氏が2016年に亡くなるまで、ラリーを中心としたモータースポーツで勝利するためのクルマをつくり続けてきた。

 そんな活動を続けてきたボウラーモータースは、2014年に大きな転機を迎えることになる。この年ボウラーモータースは、独自の次世代車両プラットホームを開発した。

 それがCross Sector Platform(CSP)である。オンロード/オフロードを問わず使用でき、緊急対応や救急、防衛、探索などさまざまな用途に対応できる拡張性を持った車両用プラットホームは、民間用車両としてだけではなく、軍事用車両としても大きな注目を浴びた。

 その注目度の高さは、2020年になってランドローバー社がボウラーモータースを買収したということからも明らかだろう。ランドローバーはボウラーのCSPを利用して、初代ディフェンダーのボディを載せたマシンの開発を決定している。

 ボウラー「CSP575」というネーミングのこのクルマは、575psを発生するV型8気筒スーパーチャージャーエンジンを搭載し、ボディは初代ディフェンダーという伝統と現代が融合したモデルとなっている。

 価格は約20万ポンド(約3000万円)となる予定で、発売は2021年後半を予定している。

【画像】実用一辺倒のボウラーのディテールチェック!(29枚)

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