見た目と性能のギャップがおもしろい! ジツは高性能だった珍車5選
高性能なエンジンを搭載した地味めなセダンとは?
●ランチア「テーマ8.32」
現在、ステランティス傘下にあるランチアといえば、スーパーカーブームの頃の「ストラトス」や、ラリー界を席巻していた「デルタ インテグラーレ」が日本では有名ですが、かつては庶民の足となるようなコンパクトカーからプレミアムなセダンなど、数多くのクルマを輩出していました。
なかでも1984年に登場したミドルクラスセダン/ステーションワゴンの「テーマ」は、同社の主力車種として欧州でヒットを記録。
巨匠ジウジアーロがデザインしたボディは、直線基調ながらも空力性能に優れたスタイリッシュなフォルムとなっていました。
そして、1988年に追加ラインナップされた「テーマ 8.32」には、最高出力215馬力を発揮する3リッターV型8気筒DOHCを搭載。なんと、フェラーリ「308」のエンジンをデチューンして移植されたのです。
外観はベーシックグレードのテーマとほとんど同じですが、前後の「8.32」エンブレムとトランクに格納される電動式リアウイングが、ハイパフォーマンスカーであることを主張しています。
内装もプレミアムセダンにふさわしく本革とウッドをふんだんに使った豪華仕様で、登場時期がバブル景気と重なっていたことで日本にも上陸しています。
●日産「ローレル 25クラブSターボ/25メダリストVターボ」
1968年に誕生した日産初代「ローレル」は、すでにデビューしていた3代目「ブルーバード」(510型)や、同年に登場した3代目「スカイライン」(ハコスカ)とはコンセプトが異なるハイオーナーカーとして開発されました。
2代目ローレルからはスカイラインと主要なコンポーネンツを共有しながらも、やはりコンセプトは独自路線で進化しました。
そして、1997年に発売された8代目ローレルは、ラグジュアリーな「メダリスト」系とスポーティな「クラブS」系の2タイプを設定し、高性能グレードの「25クラブSターボ/25メダリストVターボ」をラインナップ。
搭載されたエンジンは2.5リッター直列6気筒DOHCターボの「RB25DET型」で、1998年の改良で最高出力280馬力に到達しました。
外観はシックな印象のセダンで、それでいて高出力のエンジンを搭載する通好みなモデルといえます。
高性能な直列6気筒エンジンを搭載するFR車という貴重な存在ですが、中古車は比較的安価で、狙い目な1台です。
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今回、紹介したようなモデルは、近年は少なくなった印象があります。
セダンで高性能なモデルは意外と派手めな外観で、軽自動車は特別なエンジンはなくなり、コンパクトカーは経済性を重視しているため、ある意味正常な進化なのかもしれません。
ただ、面白いモデルが少なくなった感もあり、残念なところです。
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