14年目のGT-Rは進化が終わらない!? 日産新型「GT-R NISMO」の凄さとは 開発陣「思いの丈」語る
日産は2021年4月14日に2022年モデルとなる新型「GT-R NISMO」および特別仕様車「GT-R NISMO Special edition」を先行公開しました。公開の場となったオンラインイベントで、開発陣が語ったこだわりポイントとは、どのようなものだったのでしょうか。
エンジンが進化した特別仕様車「Special edition」の特徴とは
日産は2022年モデルとなる新型「GT-R NISMO」および特別仕様車「GT-R NISMO Special edition」を2021年4月14日に先行公開しました。
同日に配信されたオンラインイベントでは、日産のチーフ・プロダクト・スペシャリスト 田村宏志氏をはじめとした開発陣が登壇し、2022年モデルに込めたこだわりを解説しました。
2007年12月の発売以来、販売14年目を迎えているGT-Rですが、2022年モデルはどんな進化を果たしたのでしょうか。
田村氏のほかにイベントで登壇した開発者は、チーフ・ビークル・エンジニアの川口隆志氏、グローバルデザイン本部 主管の森田充儀氏です。
まず田村氏は、GT-Rが改良を重ねることで進化している点を挙げ、次のようにコメントします。
「(GT-Rが掲げる)究極のドライビングプレジャーの追求。この『追求』という言葉がミソで、やはり終わりなき進化、ずっと続けるという行為を通して日産自動車の気持ちを伝えていきたいと考えています。
例えば、『ちょっとこんな性能を上げてみたい』『こんなデザインをやってみた』『こんなボディカラーを開発してみた』など、こういうところを仲間とともに語り合い、ひとつひとつ紡いでいくという日産自動車の姿をGT-Rに託して、開発を進めてきました」
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GT-Rは2007年の登場時は最高出力が480馬力でしたが、2021年現在は600馬力(GT-R NISMO)を達成しています。川口氏は、このパワーアップは燃料効率の向上や排気抵抗の低減といった細かな改良の成果も含まれていると説明。登場時に比べて燃費も向上しているということです。
特別仕様車としてGT-R NISMO 2022年モデルに設定されたSpecial editionのメカニズム面における改良ポイントについて、川口氏は次のように話します。
「今回の特別仕様車『GT-R NISMO Special edition』では、もう一度エンジンを少し進化させることにチャレンジしました。
具体的には、エンジンのなかにあるピストンリングやバルブスプリングの精度を徹底的によくすることで、フリクションロスを最高レベルまで下げました。
またクランクシャフトやコンロッド、クランクプーリー、フライホイールといったエンジンのなかで回転する部品は、少しバランスが崩れるだけで回転のむらになりますが、これも徹底的に管理することで、もともと高い精度で作ったエンジンをさらに改良しました。
こうした改良は、最高出力の向上など分かりやすくスペックにあらわれるものではなく、川口氏も「(改良によって)エンジンがスムースに回ったり振動が少なくなっているのですが、タイヤから入ってくる入力の方が大きいので、残念ながらお客さまにとっては分かりづらい」といいます。
また「お客さまがエンジンを見ても違いは分からず、もっといえばエンジンをバラバラにしたとしても、基本的には部品の見た目は同じなので、お客さまに『変わった』ということをなかなか伝えられないです」(川口氏)ともコメント。
そのためSpecial editionでは、「匠」が製造するGT-Rのエンジンに手組みの証として貼り付けられるプレートを赤文字の特別仕様にしたと説明します。
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