「格好悪い」義務化でSUV定番「きのこミラー」なぜ激減? いまでは一部車種しか採用しない訳
サイドアンダーミラーに変わる安全対策とは?
サイドアンダーミラーの採用自体は、義務化される以前からメーカーが自主的におこなっていました。
法施行以前からサイドアンダーミラーを装着していた代表的な車種には、トヨタ「ランドクルーザー」、日産「エルグランド」、三菱「パジェロ」、スバル「フォレスター」などが挙げられます。輸入車にも、正規輸入販売されていた車種には装備されていました。
2021年4月現在の日本国内で販売されている新車で、サイドアンダーミラーを装備しているクルマは、トヨタ「ハイラックス」、「ランドクルーザープラド」、「ハイエース」、日産「NV350キャラバン」、三菱「デリカD:5」と、わずかな車種に限られています。
サイドアンダーミラーに替わる安全対策について、前出のマツダ販売店スタッフは、次のように話します。
「もともと、サイドアンダーミラーは中・大型トラックや路線バスを含む中・大型バスに装備されていた補助視界確保装置でした。
それが、大型のSUVや商用バンなど一般的な乗用車に比べて着座位置が高く、左側方に死角ができやすいクルマなどの死角を減らすため装着されるようになった装備です。
サイドアンダーミラーからカメラに変わった流れとして、マツダ車においては、2006年に登場した『CX-7』には、助手席側のサイドミラーに取り付けた小型カメラで視界を確保する『サイドブラインドモニター』を標準装備されました。
これにより、エクステリアデザインの美しさを損なうことなく、サイドアンダーミラーを代替する装備として、装着義務基準に適合させました。
また、2017年の『アクセラ』の改良以降に、マツダ車の多くの車種で採用されている『360°ビューモニター』が、視界の確保、法規制の適合とともに、助手席側のみならず、全方位でのクルマの死角解消に大きく寄与しました。
マツダ独自の考え方として、フロントウィンドウを大きく取り、Aピラーの配置を工夫し、サイドドアミラーの取り付け位置を従来車より少しだけドア後方に移動させて、これまでサイドミラー本体によって生まれていた死角を減らす工夫をしています。
車両左サイドにいる小さな子供や障害物を視認できるようにサイドウィンドウの視界を広く取っています」

実際に、マツダが「CX-7」にサイドブラインドモニターを採用したように、2007年に日産も「エクストレイル」や「デュアリス」に同じ技術を採用して、サイドアンダーミラーを2010年代に採用を取りやめています。
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サイドアンダーミラーは、デジタル技術が発展する以前、SUVの視界を確保する補助装備でした。
ところが近年のカメラやセンシング技術の発展で、保安基準に適合した先進モニタリング装置が誕生し、ドライバーの視界をサポートする役目を引き継いだといえます。
これからも安全運転支援技術は進歩を遂げると思われますが、いずれにしても重要なことは、ドライバーが安全運転に対する意識を正しく持ち、安全装備を適切に扱うことが求められるでしょう。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。




























