氷上で298キロの最高速を記録! ランボルギーニ「ウルス」のタンブーロとは
ランボルギーニ「ウルス」が、ロシア・バイカル湖で298km/hという氷上最高速記録マーク。それを可能にした「タンブーロ」について解説しよう。
氷の上でも300km/hを可能とした「ウルス」
2021年3月23日、アウトモビリ・ランボルギーニはロシアのバイカル湖で298km/hという氷上最高速記録マークした。

毎年3月に開催されている「Days of Speed」に「ウルス」で初参加したランボルギーニは、練習走行では300km/hを超えるスピードを達成。かつて、第1次スーパーカーブーム時代には、「カウンタックLP400」とライバルであるフェラーリ「512BB」が公称で300km/hを超えると謳っていたのはいまや昔。氷上で、しかもSUVがあっさりと、厳格なる計測の結果300km/h近いスピードに達する時代になったのである。
ウルスが氷上という状況下で、300km/hものスピードに到達するための秘密は、6つのドライブモードとセットアップをフルカスタマイズできるEGOモードを司る「タンブーロ」にあるといっていいだろう。
このドライブモードにより、カスタマーは運転スタイルや道路のコンディションに応じて、極めて快適な乗り心地から非常にスポーティでアグレッシブなセッティングまで、必要に応じてカスタマイズすることが可能なのである。

ウルスのV型8気筒ツインターボエンジンから出力されたトルクは、まず8速のトルクコンバーター式ATに伝達され、さらにトルセンデフをセンターに採用したフルタイム4WDシステムによって、常時4輪から路面に伝達される仕組みとなっている。
前後駆動力配分は通常時には40:60だが、ここから最大で前輪には70%、後輪には87%までを伝達することが可能だ。さらにリアデフにはトルクベクタリングの機能も採用されている。
前後のサスペンションはマルチリンク式となっており、アクティブエアサスペンションを採用することで、快適な乗り心地と高水準のスタビリティを両立するほか、最低地上高も158mmから248mmまでの間で変化させることが可能。
電気機械式のアクティブロール・スタビライゼーションシステム、同位相、逆位相ともに最大で3度の差をつける後輪操舵も採用されている。
こうしたウルスのパワーユニットや、サスペンション、4WD、トルクベクタリング、ESC等々を統合制御するのが、タンブーロと呼んでいるドライブモードである。
タンブーロは、センターコンソール上にあるセレクターによって選択する仕組みだが、標準では、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」、「ネーヴェ=スノー」の4種類、オプションで「テラ=オフロード」と「サビア=砂漠」を追加することができる。
ウルスが「Days of Speed」でマークした298km/hという氷上最高速記録は、もちろん「ネーヴェ」モードで達成したに違いない。
ちなみにウルスの最高速度が305km/hであるので、氷上でもほぼ同じ速度であったことがわかる。今回のランボルギーニのチャレンジは、タンブーロがいかに優れた制御であるかの紛れもないアピールになったことは間違いないようだ。
Writer: VAGUE編集部
「モノ・コト・ヒト」を通して“オフタイムを充実させる”ライフスタイルメディア【VAGUE(ヴァーグ)】
ITをはじめ世の移り変わりが激しい昨今、社会はものすごいスピードで変化しています。それは寄せては返す波のように、人々のライフスタイルにも影響を与え、多様を極める現代を形づくっています。そこでフランス語で“波”を意味する「VAGUE」は、本物志向のプロダクトや、より良い生活を送るためのコト、自分らしく生きるヒト、を取り上げることで、常に変化していくライフスタイルを充実させる情報をお届けします。































