見えないリアドアハンドルがオシャレ! 3ドアっぽく見える車5選
ハッチバックやスポーツカーも3ドア風スタイルを採用
●スズキ「スイフト」
軽自動車をはじめとしてコンパクトカーを長年作り続けているスズキですが、これまでの経験とノウハウを注ぎ込んだスポーティなコンパクトカーが「スイフト」です。2017年から販売が開始されている現行型は4代目に当たります。
全長3845mm×全幅1695mm×全高1500mmのボディに組み合わせられるパワートレインは、燃費性能と力強い走りを実現する1.2リッターガソリンと1.2リッターハイブリッド、さらにモーターがエンジンをサポートする1.2リッターマイルドハイブリッドという3種類をラインナップ。FFベースですが4WDもあります。
スイフト最大の魅力、それは全モデルが車重1000kg以下という軽量さです。エンジンのパワー数値以上にキビキビした走りが可能で、とくに街乗りはスイスイ走ります。
それでいて狭い道や駐車場などでも取り回しが楽で、運転に自信がない人はもちろん、ベテランドライバーもニヤリとするような軽快な走りが味わえます。
3ドアに見える5ドアのなかで、もっとも標準的な3ドアハッチバックのようなスタイルは、初心者だけでなく、かつて3ドアハッチバックに乗っていた熟年ドライバーまで、幅広い層に支持されるモデルだといえます。
また、このスイフトをベースに、1.4リッターターボを搭載したスポーツモデルの「スイフトスポーツ」も3ドアのように見える5ドアハッチバックスタイルを採用しており、パフォーマンスと実用性を兼ね備えたモデルとして人気を博しています。
●マツダ「RX-8」
3ドアに見える5ドアの手法は意外に古く、1989年に発売された日産初代「テラノ」の5ドアモデルがすでに採用しています。それが最近のヒドゥンタイプのドアノブによって、現代によみがえったといえます。
3ドアに見える5ドアを採用したモデルとして忘れてはならないのがマツダ「RX-8」です。2003年にロータリースポーツの雄「RX-7」の後継車として誕生。現時点ではロータリーエンジンを搭載した最後の市販モデルで、2012年まで生産されました。
もともと次期RX-7の開発を進めていたマツダに対し、当時資本関係にあったフォードから「北米で売るために実用的な4シーターを」という依頼があり、そのリクエストに応えるかたちでRX-8が誕生したといわれています。
実用性を求めた4シーターとはいえ、しかしスポーツカーである以上、単純なドアではスポーティさを失ってしまいます。そこで生み出されたのが、観音開きドアの「フリースタイルドア」です。
フロントドアを開けてからでないと開けない仕組みを採用することで、リアのドアノブを見せることなく、クーペっぽいスタイリッシュさを実現。RX-8の特徴のひとつとなっています。
全長4435mm×全幅1770mm×全高1340mm(2003年式)というボディに、654cc×2ローターのロータリーエンジンをフロントミッドシップに搭載。FRとすることで操る楽しさが重要なスポーツカーらしいレイアウトになっています。
ちなみにこのフリースタイルドアは、2020年に登場したコンパクトSUV「MX-30」で復活しました。
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ほかにもアルファロメオ「ジュリエッタ」などにも、3ドアに見せる手法が取られているなど、ヒドゥンタイプのドアノブはスタイリッシュで軽快なモデルでの採用例が多いようです。
各社内の、色々なことのせめぎあいの結果です。
開発から言えば、ヒドゥンタイプは専用部品が多く、コストも上がるから、金くれよと条件を付ける。
デザイン優先といっても、SUVのヒドゥンタイプは、ハンドル位置が高くなり、使い勝手がいいとは言えない。時には、デザイナの自分勝手と非難されることも。
ファミリーカーのヴェゼルは、たぶんリアドアガラスを広く見せたいので下端を一直線にしたい。そうするとドアパネルにつけるドアハンドルとロックが成立しない。新ベゼルはガラスの下端の後ろ側をC-hrみたいに上にあげれば、ドアロックは成立したかもしれない。マーケッティング部門はシルエットは気に入っていても、ガラスを小さくするのは嫌だったんだろうな。で、コストを払ってヒドゥンタイプを採用した?
C-hrはリアドアガラスが極端に小さいから、ドアハンドルをドアパネル上につけると意匠が成立しない。欧州でファミリーのファーストカーとしての地位を持てていないトヨタのスペシャルデザインだからOKが出たのだろう。最初から日本向けなら、カローラクロスみたいになっていただろう。ジュークなんかも同じかな。ファミリーではない割り切り感が重要。
で、個人的には、スイフトのヒドゥンタイプ採用はありがた味がいまいちわからないから、理解できない。