出た時期が最悪? バブル崩壊後に誕生した不遇のスペシャリティカー5選
アメリカ生まれの2台のスペシャリティカーとは
●ホンダ3代目「アコードクーペ」
ホンダは1982年に、他社に先駆けてアメリカで海外生産を開始しており、現地生産第1号車は2代目「アコード」で、現在も北米ではアコードは高い人気を誇っています。
そして、1988年には初の試みとして、企画・開発・生産をアメリカホンダでおこなったモデル、初代「アコードクーペ」が誕生します。
アコードクーペは文字どおりアコードセダンをベースにしたスタイリッシュな2ドアクーペで、日本へは左ハンドルのまま輸入車として販売が開始され、アメリカナイズされた内外装から高い人気を誇りました。
そのままの勢いから1990年には2代目、1994年には3代目へとモデルチェンジ。
3代目はシリーズ初の3ナンバーボディとなり、その大きなボディを生かしたエレガントなフォルムを実現しており、トップグレードの「SiR」には190馬力を誇る2.2リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載。
トランスミッションはセダンには5速MTが設定されましたがクーペは4速ATのみで、あくまでもラグジュアリーなモデルというコンセプトでした。
また、ハンドル位置もSiRは右のみでしたが、「2.2Vi」グレードでは左ハンドルも設定されており、外車信仰の名残といえます。
しかし日本では人気が低迷し、この3代目をもってアコードクーペの国内販売は終了。北米では7代目まで継続していましたが2018年に生産を終え、消滅してしまいました。
●三菱2代目「エクリプス」
1989年にアメリカで生産・発売された初代「エクリプス」は、1987年に登場した6代目「ギャラン」をベースに開発した3ドアファストバッククーペです。
日本は1990年から左ハンドルのまま輸入され、スポーティなフォルムに優れた走りが高く評価されたことに加え、好景気という背景から一定の人気がありました。
そして1994年には2代目が登場し、日本では1995年に輸入・販売を開始。初代と同じく左ハンドルのみです。
外観はよりグラマラスで抑揚のある曲面を組み合わせたデザインで、躍動感あふれるフォルムを実現しています。
北米市場向けは2WDのFFとフルタイム4WDをラインナップしていましたが日本では2WDのみとされ、230馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボを搭載した1グレードのみで、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。
また、足まわりにはFFながら4輪マルチリンクを採用するなど、優れたコーナリング性能を発揮しました。
1996年にはソフトトップのオープンモデル「エクリプス スパイダー」が発売され、円高を考慮して284万円(消費税抜き)と安価な価格設定とされて話題となります。
しかし、初代ほどの人気は獲得できず、1999年に販売を終了。その後2004年にエクリプス スパイダーのみが販売されましたが、短命に終わっています。
北米では2005年に4代目エクリプスが登場しましたが2012年をもって販売を終了し、歴史に幕を閉じました。
※ ※ ※
スペシャリティカーの魅力は、なんといっても外観のデザインです。かつて日産「S13型 シルビア」やホンダ3代目「プレリュード」、前述のソアラなどスタイリッシュなモデルが数多くありました。
現在は高額なモデルが生き残っていますが、若い人には手が出しづらい状況です。さらに一度ミニバンやコンパクトハッチバックの使い勝手の良さを経験すると、もはや2ドアのモデルは趣味のセカンドカー以外で需要はないでしょう。
これはニーズの変化に他ならないため、今の時代では仕方がないことなのかもしれません。
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