スポーティさが光るホンダ3代目「アコード」 歴代で最もアグレッシブなデザインを採用
1976年に誕生したホンダ「アコード」はセダンというイメージが定着していますが、歴代モデルではさまざまなボディタイプを展開していました。なかでも3代目アコードは、シリーズ随一のアグレッシブなデザインを採用したモデルとして君臨。そこで、歴代でもユニークな3代目アコードを振り返ります。
流行を取り入れつつ高性能化を果たした3代目アコード
ホンダは1972年に初代「シビック」を発売すると大ヒットを記録。そして、ホンダはさらに車種の拡充を図るため、1976年にシビックの上位車種として初代「アコード」を発売しました。
現行モデルは2020年に登場した10代目にあたり、近年は日本で存在感が薄くなってしまいましたが、主戦場であるアメリカではホンダの主力車種のひとつとしていまも高い人気を誇っています。
アコードというとセダンというイメージがありますが、発売当初はファストバックスタイルの3ドアハッチバックのみで、後にセダンが加わり、代を重ねていきました。
なかでも歴代でもっともアグレッシブなデザインを採用してバリエーションも豊か、かつスポーティなモデルに変貌を遂げたとして記憶に残るのが3代目です。
そこで、3代目アコードについて振り返ります。
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前述のとおり1976年に初代アコードが誕生。1981年には2代目へとフルモデルチェンジし、外観はより洗練されたデザインとなり、ボディタイプは4ドアセダンと3ドアハッチバックを初代から継承しました。
なお、この世代から姉妹車の「ビガー」が加わり、大きなトピックスとして日本車では初となるアメリカ工場でも生産が開始され、ホンダの北米進出拡大の足がかりとなります。
そして、1985年に3代目が登場。内外装はもとより、エンジン、シャシとすべてが一新されました。
とくに外観で大きく変わったのがフロントフェイスで、スポーティカーで採用が拡大していたリトラクタブルヘッドライトとなっており、ボンネット先端が低いウエッジシェイプを実現。
スタンダードボディは4ドアセダンで、ボディサイズは全長4535mm×全幅1695mm×全高1335mmとロー&ワイドな印象です。
また、3代目では従来のファストバックスタイルの3ドアハッチバックが廃止され、新たに3ドアの「エアロデッキ」をラインナップ。
エアロデッキはステーションワゴンに近いユニークなスタイルで、フロントウインドウからリアエンドへ続くロングルーフのキャビンは美しいフォルムを形成するだけでなく、空力性能の向上や優れた居住性の確保にも寄与しました。
欧州では2ドア車をベースに、ステーションワゴンのボディを架装する「シューティングブレーク」というジャンルが古くからありましたが、エアロデッキはまさにシューティングブレークをモチーフとしたといえます。
内装ではセンターにスピードメーターを配置したスポーティな3連メーターに加えカラード液晶デジタルメーターを設定し、トレー状のインパネによって実用的な面もありました。また、シート生地や新たなインパネの風合いから高級感も感じられます。
エンジンはトップグレードの「2.0Si」に2リッター直列4気筒DOHC16バルブを搭載。電子制御燃料噴射式で最高出力は160馬力(グロス、以下同様)を誇りました。ほかにも130馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒DOHCツインキャブ、110馬力の1.8リッターSOHCシングルキャブをラインナップし、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定していました。
駆動方式は全車FFの2WDのみで、サスペンションにはFF車では世界初となる4輪ダブルウイッシュボーンを採用。ダブルウイッシュボーンはフォーミュラーカーでは一般的なサスペンション型式で高い路面追従性を誇りますが、FFではスペース効率や重量の面で実現が難しいとされていたなか、ホンダは独創的なアイデアを投入してこれらの問題点を解決して完成させたといいます。
スポーティで斬新なデザインの3代目アコードは日米でヒットを記録。そして、日本車では初となる試みによって、アコード史上でも重要なモデルが誕生することになります。
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