「R32 スカイラインGT-R」のパーツを最新技術で再生産? メーカーの旧車サポート5選

最新技術を駆使して旧車パーツを再生産!?

●日産「NISMOヘリテージパーツ」&「NISMOレストアードカー」

世界中から注目される日産「R32型 スカイラインGT-R」の部品が最初に再販された
世界中から注目される日産「R32型 スカイラインGT-R」の部品が最初に再販された

 1989年に発売された「R32型 スカイラインGT-R」は、16年ぶりとなるGT-R復活を果たした記念すべきモデルで、その後もR33型、R34型と新世代スカイラインGT-Rの系譜は続きましたが、2002年に歴史に幕を閉じました。

 近年は世界的にスカイラインGT-Rが注目されたことで価格が異常なまでに高騰してしまいましたが、長年乗り続けているユーザーも数多く存在します。

 そうした背景から2017年12月に、日産、ニスモ、オーテックジャパンの3社が共同で、R32型 スカイラインGT-Rの部品の再生産・販売を開始。2018年にはR33型、R34型にも拡大しました。

 当初はワイヤーハーネス、ホース/チューブ類、エンブレムなど、約80点の部品からでしたが、バンパーやエンブレムなどの外装部品は新品が早期に欠品となっていたため、オーナーには吉報だったことでしょう。

 そして、2021年3月15日には新技術である「対向式ダイレス成形」と、3Dプリンター技術を活用したNISMOヘリテージパーツを発表。

 対向式ダイレス成形とはボディパネルの少量生産に対応する技術として2019年10月に発表され、棒状の工具を取りつけたロボットがパネルを徐々に変形させて成形するというものです。

 通常、ボディパネルは非常に高価な金型を使ったプレス加工によって生産されますが、少量生産にはコスト的に不向きで、対向式ダイレス成形ならば比較的安価に少量生産が可能です。

 なお、現在再販中のNISMOヘリテージパーツは約300点にもなっており、再生産品では対応できない一部の部品は、修理での対応もおこなわれています。

 また、ニスモは2020年12月に、R32型/R33型/R34型スカイラインGT-Rを対象としたレストアサービス「NISMO restored car(レストアードカー)」を開始。

 視覚的にきれいにするレストではなく、性能も可視化してレストアするという新たな試みで、とくにボディのレストアは基準値に基づいたニスモにしか出来ないレベルといいます。

 NISMOレストアードカーはコンプリートカーとしての販売だけでなく、ユーザーのクルマをベースしたレストアも可能となっており、費用はベース車両のコンディションや作業内容により異なるとのことですが、かなり高額なのは間違いないでしょう。

●ボルボ「クラシックガレージ」

ボルボ・カー・ジャパンはクラシックボルボのレストアを手掛けている(画像はボルボ「アマゾン」)
ボルボ・カー・ジャパンはクラシックボルボのレストアを手掛けている(画像はボルボ「アマゾン」)

 これまで、国産メーカーの旧車サポートを紹介してきましたが、欧州メーカーでは古くから同様の取り組みが始まっていました。

 とくに少量生産の高額なモデルを中心にレストアサービスがおこなわれていますが、ボルボ・カー・ジャパンは2016年8月から、レストアサービスの「KLASSISK GARAGE(クラシックガレージ)」を開始しています。

 ユーザーのクラシックボルボを預かってレストアや修理、リフレッシュをおこなうのと同時に、中古車をレストアして再商品化するプロジェクトとしてスタート。

 現在は作業人数の関係からレストア済み中古車の販売が中心で、一般修理の入庫を制限している状況ですが、プロジェクトとしては非常に順調に推移しているといいます。

 スタート直後から入庫数は順調に伸びており、2016年は38台、2017年は81台、2019年は69台の修理/メンテナンスを実施。さらにレストアした車両は19台を販売した実績があります。

 ちなみに、レストアで商品化された車両は、「240GLワゴン(1991年)」や「850T5-R(1995年)」、「960SXエステート(1993年)」、「780クーペ(1990年)」、「P1800ES(1973年)」など、ステーションワゴンからセダン、クーペまで幅広い車種を展開。

 レストア済み中古車の価格について例を挙げると、当時の車両価格が580万円だった1998年製「S90クラシック」が237万円と、比較的リーズナブルといえます。

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※ ※ ※

 今回、紹介したメーカーによる旧車維持のサポートは、ボルボを除いて車種が限定されています。

 比較的現存数が多く愛好家も多い車種ばかりなので、部品の再生産やレストアサービスは理にかなっているといえますが、そうではないマイナーなモデルや、愛好家が少ないモデルでは、こうした対応は難しい状況です。

 しかし、日産の対向式ダイレス成形や3Dプリンターの活用は、マイナーモデルでも対応可能なため、今後は状況が変わっていくかもしれません。

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2件のコメント

  1. ベンツもやってるだろ?いくらメーカーがレストアや部品だしても、それを維持する維持費=自動車税や重量税が高ければ意味がない=自動車文化が根付かないんだよ。
    いくらメーカーがレストアや部品だしてもな。いくら紹介しても維持費がさがらないと、本当の自動車文化とはならない。
    日本には金無いからな。税金を取る事しか考えていないんだからな。海外に金ばら撒いてなぁ。アホ政治家と官僚のクソ連中め。コイツらから何とかしないと。

    • そのアホを推したアホは誰なんかな?

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