メルセデス新型「Sクラス」はどう進化? 「最善か無か」を具現化するフラッグシップの凄みとは
内外装ともに最新技術が盛りだくさん
インテリアは、各パートが機能ごとに浮かび上がったようなデザインになり、華美でない先進性を出している。
インストルメントパネルはダッシュボードから自立した形だし、中央のモニター画面もセンターコンソールからせり上がったような形になっている。ドアのスイッチ類もまとまって細いクロームの枠で囲まれフローティング状態に見える。
全車AIRマチックサスペンションを採用している。連続可変ダンパーとエアサスペンションのセッティングは走行状況により自動的に変化するが、ダイナミックセレクトのスイッチによって多くのドライブモードからドライバーの好みで選択もできる。
MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)はまた進化した。指紋認証、顔認証などから自分のプロフィールを呼び出し、ドライバー後退時など好みの車両設定が簡単にセットできる。またARナビゲーションは、実際のカメラ画像の中に矢印を出し誘導する機能がついた。
さらに「ハイ・メルセデス!」と、どのシートから発言したかも聞き分けてくれ、乗員を囲むように伸びる帯のようなアンビエントライトが、発言した席の色が変わり反応してくれる。車両設定やインフォテインメント機能を自然対話の音声で操作できる。スイッチにタッチせずに、ジェスチャーを読み取ってサンルーフの開閉も可能になった。
安全性では、メルセデス初となるSRSリアエアバッグ、シートクッションエアバッグ、シートベルトバッグが装備できるようになったのが新しい。SRSリアエアバッグは前席シートバックの中に収納されて後席の乗員を守る。これはあくまでもSRS(サプルメンタル・レストレイント・システム)なので、シートベルトを装着していることが前提になっている。
日本仕様は大きく分けてグレードが用意されている。エンジンがディーゼルとガソリンの2種、ボディが標準とロングの2種の組み合わせだ。
エンジンは基本的に従来モデルからのものを踏襲している。S400d用にOM656型のディーゼル、S500用にM256型のガソリンが用意されている。どちらも3リッター直列6気筒ターボで、9速ATと組み合わされ、4マチック(4WD)で駆動する。
ディーゼルは330ps/3600-4200rpm、700Nm/1200-3200rpm、ガソリンは435ps/6100rpm、520Nm/1800-5800rpmのパワーとトルクを発揮する。
ディーゼルは2ステージターボチャージャーを備え、ディーゼル得意の低速域から太いトルクを発揮する。ガソリンはツインスクロールターボチャージャーが基本だが、48VのISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と電動スーパーチャージャーを備え、立ち上がりトルクとレスポンスを稼いでいる。
最新技術が盛りだくさんの新型Sクラスだが、オーナーになっても興味があれば乗るたびに新しい発見があるだろう。それほど中身が濃い。つまり何年も飽きずに乗れるクルマである。
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