ホンダ「S660」終了でMT車がピンチ!? 存続が危惧される軽MT車の現状は?
スズキに軽MT車の選択肢が多いのはなぜ?
S660のライバルともいえるダイハツ「コペン」は、初代モデルが2002年に登場。軽として初めてとなる電動ハードトップを備える2シーターオープンモデルとして人気を博しました。
現行モデル(2代目)は2014年に登場。初代は丸みを帯びた可愛らしいスタイルでしたが、現行モデルは「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」といったスタイルが選べる、個性派スポーツカーへと一新。
さらに2019年10月には、第4のモデルとして「GRスポーツ」を追加。トヨタのモータースポーツ部門「TOYOTA GAZOO Racing」のノウハウを注入してスポーツ性能を高めたモデルが設定され、GRスポーツはトヨタでも販売されるという異例のコラボが実現しました。
いずれもパワートレインは、660ccターボエンジンにCVTまたは5速MTが組み合わされます。
オープンにする場合、S660は手動で屋根を外してボンネット内の格納スペースに収めるのですが、コペンは電動ルーフを備えていることからボタンひとつで屋根を開閉することができ、屋根はトランクスペースへ格納されます。
※ ※ ※
荒れた路面や狭い林道などで本領を発揮する軽オフローダーのスズキ「ジムニー」は、660ccターボエンジンに、4速ATおよび5速MTを組み合わせています。
現行モデルは2018年に20年ぶりにフルモデルチェンジした4代目。丸目のヘッドライトに無骨な四角いボディをもち、歴代モデルのモチーフが取り入れられました。
さらに、ラダーフレームの採用や、FRレイアウトや機械式副変速機付きパートタイム4WDなどにより、悪路走行性を高めています。
プロが使うだけでなく、ファッションとして購入する人も多いジムニーは大変な人気を得ており、納期が長くかかるクルマのひとつとされています。
さらにスズキは、軽ホットハッチの「アルトワークス」に、5速AGSと専用開発のショートストロークの5速MTを設定しています。
力強い加速を実現するターボエンジンや専用チューニングのサスペンションに加え、高いホールド性を発揮する専用レカロ製フロントシートを装着するなど、アルトワークスはスポーツ走行に特化したモデルだといえます。
※ ※ ※
ホンダとダイハツはスポーティなモデルにMT車を設定していますが、スズキはジムニーやアルトワークスといった趣味性の強いモデルに加え、日常的に軽自動車を使用する人のためにもMT車を設定しています。
「アルト」の5速MT車は、エントリーグレードの「F」に設定されており、軽自動車としてもっとも安いダイハツ「ミライース」(86万200円)と同等の86万3500円という価格を実現。
さらに「ワゴンR」は、2012年9月のフルモデルチェンジから遅れること3か月後の12月に、エントリーグレード「FA」に5速MT(109万8900円)を追加設定しました。
アルトとワゴンRのMT車はお求めやすい低価格を実現したことに加え、AT車を運転することができない高齢ドライバーへの数少ない選択肢という側面もあるとされています。
他社に比べて軽MT車が多いスズキですが、軽クロスオーバーSUVという新たなジャンルを開拓した初代「ハスラー」に設定されていた5速MTは、2代目へのフルモデルチェンジの際に廃止しました。
軽自動車においても衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きACCといった機能が設定されることが当たり前になるなか、軽MTは今後の存続が危ぶまれる状況にあるといえそうです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。