ヒットしなかったけど存在感がスゴい! 記録より記憶に残る迷車5選
強烈な個性を放つ三菱とトヨタのモデルとは
●三菱「スタリオン」
三菱は1982年に、欧米のスポーツカー市場へ参入することを目的に「スタリオン」を発売。
ボディはリトラクタブルヘッドライトを採用する直線基調の3ドアハッチバッククーペで、ノミで削ったようなウェッジシェイプのフォルムは正統派スポーツカーであることを主張していました。
トップグレードに搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒SOHCターボで、145馬力(グロス)を発揮。しかし、ライバルが出力向上を果たしていったことから、1983年にはインタークーラーを装着して175馬力(グロス)にパワーアップ。1984年には最高出力200馬力(グロス)まで向上するなど、2リッター車ではトップクラスに君臨。
そして、1987年には2リッター車に、迫力ある輸出用のワイドボディを採用した限定車「GSR-VR」が登場。さらに1988年には、これに2.6リッターエンジンを搭載した、カタログモデルのGSR-VRが発売されました。
しかし、国内では人気の低迷が続き、モデル末期には月間50台前後しか売れず、1990年に後継車の「GTO」が発売されたことで歴史に幕を閉じました。
ワイドボディもナローボディも今では見られなくなったシャープなデザインで、かなり斬新な印象ではないでしょうか。
●トヨタ「セラ」
トヨタのクルマはかつて「80点主義」と呼ばれ、堅実なモデルが多いというのが一般的な意見でした。しかし、歴代トヨタ車のなかでひと際異彩を放つモデルが1990年にデビューした「セラ」です。
セラは同社のコンパクトカー「スターレット」をベースに開発された3ドアハッチバッククーペで、全体のフォルムはそれほど奇抜ではありませんが、最大の特徴はガルウイングドア(現在では「バタフライドア」と呼称)を採用していたことです。
ガルウイングドアの採用はあくまでもデザインを重視した結果であり、まさにバブルの産物といえます。
フロントからリアに至るまで、キャビンは大きなガラス面で構成されたインパクトのある見た目でしたが、当時のガラスはIRカット機能など採用されておらず、コンパクトカーとしては珍しくオートエアコンを全グレードに標準装備するなど、室内の温度上昇の対策が図られていました。
それでも夏場の直射日光はかなり厳しかったようで、上部のガラスを覆うサンシェードがオプション設定されたほどです。
当時の新車価格は160万円(東京価格、消費税含まず、5速MT)からで、内容を考えるとかなりのバーゲンプライスだったといえるでしょう。
※ ※ ※
今回、紹介した5車種のなかで、インサイト以外はバブル期に誕生もしくは販売されていたクルマです。
このバブル期にヒットしたセダンというとシーマやセルシオが挙げられますが、もっと凄かったのはトヨタ8代目「クラウン」であり、1990年には約24万台を販売する金字塔を打ち立てました。
当時のクラウンは数多くのバリエーションを展開することで、あらゆるニーズに応えていたとはいえ、コンスタントに月間2万台を販売していたのは驚き以外ありません。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。