過信はダメ? 標準化する「オートブレーキホールド」の落とし穴とは

オートブレーキホールドは自動運転に向けた第一歩?

 オートブレーキホールドの普及には電動パーキングブレーキの採用が関係していることは先に述べたとおりですが、より大きな視点でいえば自動運転に向けた第一歩ということもできます。

「自動運転」という言葉を文字通りにとらえるならば、「走る」「曲がる」「止まる」といったクルマの基本的な機能のすべてをクルマそのものに任せることになります。

 日本や米国で採用されている自動運転の定義では、これは「レベル5(完全自動運転)」に該当しますが、現時点ではレベル5相当のクルマは市販されていません。

 現在、市販されているクルマのほとんどは「レベル1(運転支援)」もしくは「レベル2(部分的自動運転)」です。

 オートブレーキホールド機能自体はレベル1の「運転支援」に該当しますが、オートブレーキホールドの基礎となる電動パーキングブレーキは、「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール」や「衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)」などを含めた部分的自動運転支援システムの一部となっている場合が多く、オートブレーキホールドが搭載されているクルマの多くは、「レベル2」の自動運転車に該当する可能性もあります。

 いわゆる自動運転車について、前出の警視庁交通課の担当者も以下のように話します。

「現状の法規制では『レベル2』の自動運転車による事故の責任は原則としてドライバー側にあるとされるため、ドライバーは常に対応できるような体制をとっておかなければなりません」

※ ※ ※

 オートブレーキホールド機能のみならず、近年では便利な運転支援機能が多く登場しています。

 しかし、そうした機能はあくまでドライバーの運転を支援する補助的機能であり、法的にも原則としてドライバーの責任に帰するということを理解しておかなければなりません。

「自動運転レベル3:条件付自動運転車(限定領域)」に適合する先進技術「ホンダ センシング エリート)」を搭載した新型「LEGEND(レジェンド)」
「自動運転レベル3:条件付自動運転車(限定領域)」に適合する先進技術「ホンダ センシング エリート)」を搭載した新型「LEGEND(レジェンド)」

 そのなかで、2021年3月5日に世界初の「レベル3(条件付自動運転)」の自動運転車となるホンダ「レジェンド」が発売されました。

 100台限定かつリース販売のみではありますが、渋滞時などの限られた条件において、運転をほぼ完全にクルマに任せられるのが特徴です。

 さらに、自動運転中に発生した事故についてはメーカー側に責任を問うこともできるという点が、これまでの自動運転車とは大きく異なる部分です。

 レジェンドのようなクルマが登場したのは画期的ですが、レベル3以上のクルマが普及するまでは、あくまで運転はドライバーがおこなうものだという意識が重要です。

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