意外なモデルだけどイケてるからイイ! メーカーのイメージと異なる車5選
各自動車メーカーには、それぞれ個性があります。なかには確固たる世界観やブランドイメージを持ったメーカーもあり、販売しているクルマもブレがありません。一方で、そうしたブランドイメージと異なる意外なモデルが存在。そこで、メーカーのイメージと異なるクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
ブランドイメージから離れたクルマを振り返る
世界中に数多くの自動車メーカーが存在しますが、なかには確固たる世界観やブランドイメージを持ったメーカーもあります。
たとえば、フェラーリやロールスロイスがつくるクルマは、見た目やスペック、品質など、歴代モデルに大きなブレは見当たりません。
一方で、そうしたブランドイメージと異なる意外なモデルも存在。そこで、メーカーが持つイメージと異なるクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●アストンマーティン「シグネット」
英国を代表する高級スポーツカーメーカー、アストンマーティンのモデルといえば、高額かつ高性能で美しいスタイルの2ドアクーペを思い浮かべるでしょう。
しかし、アストンマーティンは2011年に、マイクロカーの「シグネット」を発売。
シグネットはトヨタ「iQ」をベースに、アストンマーティン専用のパーツを手作業で組み付ける手法で生産されたモデルです。
外観のフォルムはiQに準じていますが、アストンマーティンの伝統的なフロントグリルや、ボンネットのエアインテーク、フロントフェンダーのエアアウトレットなど、アストンマーティンのモデルらしいデザインが散りばめられてします。
室内もシートや内装材に本革が使用された高級車らしい仕立てで、各部に遮音材の追加や、エンジンとトランスミッションのマウントを変更することで、車内の静粛性を向上。
アストンマーティンがシグネットを販売した背景には、欧州で課せられた燃費規制をクリアする目的があったようですが、2013年には生産を終えました。
なお、シグネットは日本にも正規輸入され、当時の新車価格は475万円(消費税8%込)からと当然ながら高額でした。
●メルセデス・ベンツ「Aクラス」
メルセデス・ベンツはさらなる顧客獲得のため、1982年に「190E」を発売。エントリーモデルとして誕生したコンパクトセダンの190Eは、欧州のみならず日本でもヒット作になりました。
しかし、これだけでは終わらず、1997年にはBセグメントの5ドアハッチバック、初代「Aクラス」を発売。
Aクラスは同社初のFF乗用車であり、ボディ形状はボンネット部分が極端に短く背の高いトールワゴンタイプのコンパクトカーです。
1998年に日本で発売されると、道路環境にマッチしたサイズや使い勝手が優れていたことから、メルセデス・ベンツとしては異色のモデルながらも、一躍人気車となりました。
2005年には初代からキープコンセプトとした2代目にフルモデルチェンジし、引き続き好調なセールスをキープ。
ところが、2012年に3代目へとフルモデルチェンジされたAクラスは、スポーティなフォルムを持つCセグメントの5ドアハッチバックに一新されました。
3代目はアウディ「A3」やBMW「1シリーズ」をライバルとするプレミアムコンパクトカーに変化し、2018年に登場した現行モデルの4代目では、シリーズ初の4ドアセダンが追加されるなど、もはや初代の面影はまったくありません。
●ボルボ「780」
現在、ボルボのラインナップは、ステーションワゴン、SUV、セダンでデザインコンセプトが統一されており、、どれも流麗なフォルムですが、1980年代までのボルボ車は安全性を重視した無骨で質実剛健なイメージがありました。
ところが1985年に発売された「780」は、そんなイメージを覆したモデルとして話題となります。
780はセダンの「760」をベースにした2ドアクーペで、イタリアのカロッツェリア「ベルトーネ」がデザインから生産まで担当しました。
ベルトーネといえばランボルギーニ「ミウラ」やランチア「ストラトス」など、数々のスーパーカーやスポーツカーのデザインを手掛けた名門カロッツェリアです。
780の外観は直線基調の平面によって構成され、ボルボの質実剛健さ残しつつも均整の取れた美しいクーペのシルエットを実現。
また、内装には本革と本木目をふんだんに使い、ゴージャスに仕立てられています。
780は1990年まで生産され、日本でも正規輸入されていたことから、稀に中古車が市場に出ることがあります。
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