元祖高級SUV「レンジローバー」はPHEVがオススメ! 燃費だけでは語れない価値とは?

2021年の注目SUVを、元スーパーカー雑誌編集長の西山嘉彦が選出。第2回目は、独自の世界観で常に「快適」な高級SUVのベンチマークであった「レンジローバー」だ。スーパーカーのサブとしてだけでなく、ファーストカーとして普段遣いしたいSUVである。

かつて「砂漠のロールス」と呼ばれた「レンジローバー」

 かつて、「砂漠のロールス・ロイス」と称されたSUVがあった。いわずと知れた「レンジローバー」である。しかし、ロールス・ロイスからSUV「カリナン」が登場したため、レンジローバーの性格を的確に表現した「喩え」を使えなくなってしまったのは寂しい限りだ。

●高級SUVはレンジローバーから始まった

まさしくオトナの雪遊び。テレインレスポンスは「砂地」をセレクト
まさしくオトナの雪遊び。テレインレスポンスは「砂地」をセレクト

 2020年は、初代レンジローバーが登場して50周年というアニバーサリーイヤーであった。もともとレンジローバーは、類い稀なオフロード性能を備え、高級車と同等の「快適さ」を備えたクルマを目指して開発された。1970年代当時、高級車の指標は「いかに快適であるか」ということであったのだ。

 本来、英国紳士とはキツネ狩りを自らの領地で嗜むことができる階級のひとたちを指している。彼らが使うクルマには、広大な農場と領地を移動する際にはオフロード性能が必要とされ、ロンドンなどの都会で開催されるパーティや催し物に出かける際には高速巡航の能力が求められた。

 もちろん、ハンティングの際にはシューティングブレーク的な要素も求められただろう。

 これらの要求を叶えた最初のSUVこそが、レンジローバーなのだ。ブラックタイの正装でパーティ会場に乗り付けることができた最初のSUVであったからこそ、「砂漠のロールス・ロイス」とも称されたのである。

 またレンジローバーは、高いオフロード走破能力だけでなくオンロードでの走行性能を両立させた最初のSUVであったともいえるだろう。いま、世界中で人気の高いオンロード/オフロード両方の高い走行性能を備えた、高級SUVの嚆矢でもあったのだ。

 だからこそ、レンジローバーは常に「高級SUV」のベンチマークとされ、レンジローバーもライバルに負けじと常に進歩し続けてきた経緯がある。

* * *

 欧州メーカーのSUVは、BMW「X5」からセダンライクな乗り味が主流となり、BMW「X5M/X6M」やポルシェ「カイエン・ターボ」などのスポーツカー顔負けの運動性能を持ったスポーツSUVへとシフト。

 さらに、ベントレー「ベンテイガ」やロールス・ロイス・カリナンといった、ラグジュアリーSUVが台頭し、いまや百花繚乱の時代となった。

 レンジローバーから見たら「後発」となる、これらのSUVの主戦場はオンロードだ。サーキットや峠、または速度無制限のアウトバーンをいかに速く走らせるかという点では、レンジローバーには勝ち目はない。

 しかし、思い出して欲しい。レンジローバーは本来、英国の上流階級が所有する広大な領地内、そしてその領地に構える城と都市を行き来するためのクルマであったことを。もちろん高速道路だけでなく、英国のカントリーロードを走ることも想定されている。そして「いかに速く」ではなく、「いかに快適に」走るかに、重きが置かれていたのだ。それは初代から変わらぬレンジローバーのDNAといってよいだろう。

【画像】アーバンからカントリーまで似合う「レンジローバー」をチェック!(12枚)

「えっ!カッコいい!」 マツダの「スゴいSUV」登場! どこが良いの?

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー