セビージャFC時代のマラドーナの愛車はポルシェ「911」だった! 純正ターボルックとは?

マラドーナの愛車でなくとも空冷ポルシェは高値キープ!

 一般的にクローズドボディのクルマをオープントップにすると、ボディ剛性面での不安が生じてしまうものだ。911カレラ2 カブリオレWTLは、剛性の高いターボ用ボディをベースとすることで、その点をクリアしている。

●1992 ポルシェ「911カレラ2 カブリオレ ワークス・ターボ・ルック」

ワイドフェンダーのターボルックだが、エンジンは自然吸気だ(C)Bonhams 2001-2021
ワイドフェンダーのターボルックだが、エンジンは自然吸気だ(C)Bonhams 2001-2021

 この911カレラ2 カブリオレWTLの生産台数は、1200台といわれている。

 日本に正規輸入されて販売された台数は、たしか数十台ほどだったのではないかと記憶している。並行輸入されたクルマもあったようだが、すべて合わせても、日本国内に生息した台数は100台未満だったろう。

 当時の日本での新車価格は、およそ1500万円ほどだったはずだ。バブル景気が崩壊したあとの1500万円というプライスタグだったので、非常に高価だったと記憶している。

 街でこのWTLを見かけると、いろいろな意味で「すごいなぁ」と思ったものである。

 この個体は、数人のオーナーの手を得ているが、状態は決して悪いものではない。

 走行距離は12万2000kmあまりとなっているが、2017年にオリジナルカラーでの再塗装とウェザーストリップ類の交換がおこなわれているほか、機能面では定期的にポルシェの正規サービスセンターで整備をされており、直近ではドイツ・ボンにあるポルシェセンターでの整備を受けている。

 さらにいえば、オリジナルの保証書やメンテナンスブックは、マラドーナの名義であったことが記されていて、これだけでも価値がある、といっていいかもしれない。

 こうした経歴を持つ、ポルシェ911カレラ2 カブリオレWTLの落札予想価格は、15万−20万ユーロ(邦貨換算約1900万−2600万円)となっている。

 空冷時代のポルシェ、964型や930型が大幅な値上がりを見せているいま、オリジナルで、いい状態を保っている964型、それも限定生産車のWTLであるということ、そしてマラドーナの愛車だったということを考えれば、新車価格プラスアルファとなるこの価格は、ある意味妥当といっていいものなのではないだろうか。

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