かなりイケてたのに消滅! 一代で消えたのが惜しい車5選

スタイリッシュなモデルと高性能車。消えた2台のコンパクトカーとは!?

●スズキ「スプラッシュ」

走りが良く装備も充実していたがネガティブな部分がクローズアップされた「スプラッシュ」
走りが良く装備も充実していたがネガティブな部分がクローズアップされた「スプラッシュ」

 スズキの登録車というと1983年に発売された「カルタス」以降、1リッタークラスのエンジンを搭載したコンパクトカーが主力です。

 現在も「イグニス/クロスビー/ソリオ/スイフト」など1リッターから1.2リッターエンジンのモデルを展開しています。

 そんなスズキのコンパクトカーのなかでも異色なモデルといえば、2008年に登場した「スプラッシュ」で、ハンガリーにあるスズキの子会社のマジャールスズキで生産されたグローバルカーであり、日本においてはスズキ初となる自社ブランドの輸入車でした。

 Aセグメントのコンパクトでスタイリッシュなボディながら5名乗車とし、6つのエアバッグと、リアシートにも3名分のヘッドレストと3点式シートベルトが装備されるなど、同クラスの標準以上に安全装備が充実しています。

 外観はコンパクトカーながら安定感が高くどっしりとした台形フォルムで、内装もシンプルながら洗練されたデザインのインパネまわりとなっているなど、かなりの力作でした。

 国内仕様のエンジンは88馬力を発揮する1.2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションはCVTのみの1グレードで展開。

 欧州で走行テストを繰り返した軽快なハンドリングと優れた乗り心地は高く評価されましたが、販売は低迷。

 その後、マイナーチェンジでエンジンの改良や、フロントフェイスの変更がおこなわれましたが、2014年に販売を終了しました。

 1トンを超える車重と1590mmの全高はベーシックなコンパクトカーとしてはマイナスポイントで、日本ではスイフトに分があったようです。

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●三菱「コルト ラリーアート バージョンR」

本格的な高性能コンパクトカーしてつくり込まれていた「コルト ラリーアート バージョンR」
本格的な高性能コンパクトカーしてつくり込まれていた「コルト ラリーアート バージョンR」

 2002年に発売された三菱のコンパクトカー「コルト」は、1.3リッターから1.5リッターエンジンを搭載する、グローバル・ベーシックカーとして開発されたモデルです。

 そして2006年にはこのコルトをベースに、当時、三菱のモータースポーツ活動を担当していた関連会社「ラリーアート」の名を冠したスポーツモデル、「コルト ラリーアート バージョンR」が登場しました。

 外観はスポイラー付きのフロントバンパー、ディフューザー形状のリアバンパー、エアアウトレットが開いたボンネット、オーバーフェンダー、ルーフスポイラーなどが装着され、戦闘的なホットハッチに変貌。

 搭載されたエンジンは最高出力154馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒ターボで、組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTが設定されていました。

 このパワーに対応するためシャシも強化。スポット溶接の増し打ちと補強材の追加により、ねじり剛性はベースに対して約30%向上したといいます。

 足まわりはフロントがストラット、リアがトーションビームなのはベース車から変更はありませんが、強化スプリングや減衰力が高いショックアブソーバー、16インチのハイグリップタイヤなどが装着され、コーナリング性能を向上。

 また、あくまでもファミリーカーではなく、スポーツモデルであることを強調するように、乗車定員も4人とされています。

 コルト ラリーアート バージョンRは、かなり本格的なスポーツコンパクトとしてつくり込まれていましたが、2012年にコルトの生産終了をもって消滅。以降、三菱のラインナップに高性能コンパクトカーは登場していません。

※ ※ ※

 フルモデルチェンジしないまま消滅してしまう理由で、もっとも当てはまるのは販売台数の低迷です。

 少なくとも販売目標台数をクリアし、フルモデルチェンジする価値があると判断されれば、延命が図られます。

 今回、紹介した5車種は決して駄作とはいえず、むしろ優れた面を持ったクルマばかりですが、ニーズや景気の移り変わりは避けられず、残念ながら消えてしまったということでしょう。

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