性能は馬力だけじゃない! ローパワーでも走りがスゴい車5選
優れたパッケージングのコンパクトカーに、軽さを最大の武器にした軽自動車
●トヨタ「ヴィッツ」
1999年に発売されたトヨタ初代「ヴィッツ」は、プラットフォームをはじめ、エンジンや主要なコンポーネントのすべてが新開発された次世代コンパクトカーとしてデビュー。
ボディサイズは全長3610mm×全幅1660mm×全高1500mm、ホイールベースは2370mmと、現在の水準からするとかなりコンパクトで、ボディタイプは3ドアハッチバックと5ドアハッチバックの2種類をラインナップ。
発売当初は70馬力の1リッター直列4気筒エンジンのみで、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。決してパワフルではありませんが、車重はメイングレードの「F 5ドア」が840kgで、すべてのグレードが800kg台を達成するなど軽量な車体には十分なパワーでした。
外観は曲面を多用して丸みを帯びたフォルムで、小さいながらも安定感のある印象です。
また、優れたパッケージングによって、クラスを超えた広い居住スペースと荷室を確保した室内を実現。収納スペースも多く、実用的かつ機能的なデザインとなっています。
足まわりはフロントがストラット、リアがトーションビームというコンパクトカーでは標準的なサスペンション形式ながら、欧州市場をターゲットとしたことで、上質な乗り心地とスポーティな走りの両立が図られました。
初代ヴィッツは量販グレードでも92万8000円(消費税含まず)とリーズナブルな価格で、優れた経済性から日欧で大ヒットを記録。
その後、1.3リッター、1.5リッターモデルが加わり、さらに余裕ある走りを獲得。2代目、3代目でもベーシックカーとしてのコンセプトはブレることなく、現行モデルの「ヤリス」へと継承されています。
●スズキ「アルトワークス」
庶民の足として誕生した軽自動車も、1980年代の初頭からターボエンジンが搭載されるようになり、高性能化が加速。各メーカー間でパワー競争が繰り広げられ、トップに君臨したのが1987年に発売されたスズキ初代「アルトワークス」です。
アルトワークスは550cc直列3気筒DOHCターボエンジンを搭載して64馬力を発揮。これが馬力自主規制につながり、パワー競争に終止符が打たれました。
その後、アルトワークスは代を重ねましたが、ニーズの変化から一旦販売を終了。
そして、2015年に5代目となるアルトワークスが15年ぶりに復活を遂げ、最高出力64馬力に変わりありませんが専用のターボチャージャーを搭載し、「ワークス」伝統の4WDモデルも設定されています。
現在、軽自動車でもっとも売れているトールワゴンで、車重900kg台が標準的ですが、アルトワークスは670kg(5速MT、2WD)という軽量なボディに、専用チューニングされたサスペンションやブレーキを搭載して、走る・曲がる・止まる、の各性能すべてが高められました。
トランスミッションは5速MTに加え、パドルシフトでスポーツドライビングが楽しめるスズキ独自のAMTである5速AGS(オートギアシフト)もラインナップ。
正統派の高性能軽自動車として、いまもアルトワークスは高い人気を誇っています。
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近年は安全装備や快適装備の充実、電動化によって、クルマの重量は重くなってしまいました。しかし、軽量で強度が高い高張力鋼板や、高級車ではCFRPなどが使われることで、軽量なクルマも増えてきました。
軽量なクルマは走行性能や運動性能に優れるだけでなく、燃費にも良い影響を及ぼします。
かつて、軽いクルマは安っぽいと評されたこともありますが、現在はそうしたイメージも払拭されつつあるようです。
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