英国チューナー渾身の1台! S30型「フェアレディZ」レース仕様に注目集まる

世界中で、オールドタイマーの日本産スポーツカーに注目が集まっているが、英国チューナー「スーパーサムリ」が手がけたS30型「240Z」には、どのような評価が下されるのだろうか。

サムライ魂がこめられた「フェアレディZ」

 S30型「フェアレディZ」は、日本のみならず海外でも高い人気を誇っているが、もともと北米をターゲットとして開発されたものであるので、当然といえば当然かもしれない。

 国内では当時の自動車税の関係もあって、L20型2リッターエンジンを搭載したモデルが主力だったが、海外では2.4リッターのL24型エンジンが搭載されていた。この海外向けのフェアレディZは、空気抵抗が少なく軽量なボディとL24型エンジンのトルクの太さが相まって、俊敏な走りを実現していた。

●1974 ダットサン「240Z スーパーサムリ」

長期間納屋で保管され、1998年に再び日の目を見ることになったダットサン「240Z スーパーサムリ」(C)SILVERSTONE AUCTIONS
長期間納屋で保管され、1998年に再び日の目を見ることになったダットサン「240Z スーパーサムリ」(C)SILVERSTONE AUCTIONS

 当然のことだが、S30型フェアレディZの優れた素質を活かした、レーシングカーやチューニングカー製作も数多くおこなわれていた。S30型フェアレディZは国内のレースだけでなく、海外でもレースやラリーに出場しており、チューニングの世界でもエンジンの排気量アップによるパワーアップが当たり前のようにおこなわれていたのだ。

 L型エンジンの頑丈さも、チューニングベースとしての価値を高めていたといっていいだろう。S30型フェアレディZは、ストリートカーとして、レーシングカーとして、そしてチューニングカーとして、多くの人に受け入れられたクルマであったのだ。

 今回シルバーストーンオークションに登場したS30型240Zは、英国のチューナーがつくり上げたコンプリートカーである。手がけたのは、スパイク・アンダーソン氏率いるサムリモーターカンパニーのブランド「Super Samuri(スーパーサムリ)」だ。

 このスーパーサムリというブランドは、1960年代に「サニー1200」のチューニングからその歴史が始まっている。サムリというネーミングは、ご想像の通り、「Samurai(サムライ)」からインスパイアされたものだ。

 S30型240Zは、サーキット仕様車とラリー車をともに仕上げているのだが、現在残っているクルマのなかには、いわゆる見た目だけのサムリ仕様というものが多く、エンジン内部までサムリモーターカンパニーが手掛けた個体は、非常に少ない。

【画像】湾岸ミッドナイトばりにカッコイイ「S30型フェアレディZ」(21枚)

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