規制緩和から10年強 「自動車保険」どう進化? 今後は「AI活用」どう変わる?
2月14日は一般社団法人 日本記念日協会認定の「自動車保険の日」です。1914年のこの日に日本で初めて自動車保険の営業認可が下りたことに由来します。安全安心なカーライフのために必要不可欠な自動車保険ですが、これまでどのような変化があり、今後はどうなっていくのでしょうか。
自動車保険は日本で100年以上の歴史を持つ
2月14日は一般社団法人 日本記念日協会が制定する「自動車保険の日」です。1914年のこの日に東京海上保険株式会社(現:東京海上日動火災保険株式会社)が日本で初めて自動車保険の営業認可を取得したことから制定されました。
安全安心なカーライフのために必要不可欠な自動車保険ですが、これまでどのような歴史を歩み、今後どのように変化していくのでしょうか。
2021年現在、日本の自動車保険は大きく分けて自賠責保険(強制保険)と任意保険のふたつが存在します。
このうち任意保険について一般社団法人 損害保険料率算出機構によると、「自動車保険の概況(2019年度版)」において2019年3月末時点の普及率(対人賠償)は任意保険(自動車保険)が74.8%、自動車共済が13.3%であわせると88.2%を記録しています。
そんな自動車保険ですが、日本での歴史が幕を開けた20世紀初頭、自動車はごく一部の富裕層が持つ贅沢品で、財産を守るという意味合いが強く、日本初の量産乗用車「三菱A型」が1917年に生産開始されたことからもわかるとおり、自動車産業自体が黎明期でした。
その後第二次世界大戦を経て、損害保険料率算出機構の前身となる損害保険料率算定会が1948年に設立されます。
大きな節目となったのは、1956年の自賠責保険の義務化です。日本の自動車保有台数の増加に伴い、交通事故死者数も年々増加。とくに、昭和30年代(1955年から1964年)は交通事故死者数の水準が日清戦争を上回る勢いを見せたことから「交通戦争」といわれました。
こうした状況のなか、自賠責保険は交通事故が発生した場合の被害者の補償を目的に開始され、対人賠償保険は自賠責保険と任意対人保険の二段構えとなったのです。
その後も日本のモータリゼーションは加速し、それにあわせて自賠責保険では補償できない部分をカバーするさまざまな任意保険の商品が登場していきましたが、同じ保証内容であればどの保険会社でも料金は横並びとなっていました。
しかし1998年の規制緩和により本格的な価格・商品開発競争が始まります。また外資系や異業種からの参入も増加。新商品・新サービスの開発も活発になり、過失割合に関係なく運転者自身や同乗者が怪我をした場合の治療費などを保証する人身傷害保険が登場したのもこの頃です。
1998年にソニーインシュアランスプランニング株式会社として設立されたソニー損害保険株式会社(以下、ソニー損保)の広報担当者に自動車保険の変化について聞いたところ、次のようにコメントします。
「1998年頃からのおもな動きとしては、『ダイレクト型自動車保険が誕生し、ユーザーの選択肢が拡大』『リスク細分や新しい割引の導入などにより、ユーザーに応じたより合理的な保険料での加入が可能となる』『ロードサービスをはじめとするさまざまなサービスが導入され顧客利便性向上』などが挙げられます。
また直近の動きとしては、テクノロジーの進化に伴い運転特性連動型(PHYD型)の自動車保険が出てきており、弊社ではAIを活用した『GOOD DRIVE』を提供しています」
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