日産新型「パスファインダー」登場で振り返る! 日産の魅力的なSUV5選

クロカン車の終焉とSUVへのバトンタッチ

●3代目サファリ

よりラグジュアリーな内外装に変貌した3代目「サファリ」
よりラグジュアリーな内外装に変貌した3代目「サファリ」

 日産はすでに国内外で人気となっていたトヨタ「ランドクルーザー」に対抗すべく、「パトロール」の後継車として大型クロカン車の初代「サファリ」を、1980年に日本で発売しました。

 1987年には2代目にモデルチェンジし、RVブームで人気が急上昇。ラインナップは2ドアのショートと、4ドアのロングがあり、初期は商用車のバンのみでしたが、後に乗用車のワゴンが追加されます。

 そして、1997年にラグジュアリーなクロカン車となる3代目サファリが登場しました。

 ボディは先代に引き継いて2ドアと3ドアをラインナップし、4ドアでは全長4910mm×全幅1930mm×全高1865mmと海外でも通用する堂々した体躯に変貌。

 ビッグサイズながら、先代の無骨なイメージからスタイリッシュなフォルムとなったことと、内装も高級車と呼ぶにふさわしい豪華なものとなっています。

 エンジンは4.2リッター直列6気筒と2.8リッターのディーゼルを基本とし、4.5リッターガソリンも設定。2002年に一旦国内向けの販売を休止し、マイナーチェンジとともに販売を再開すると、新開発の245馬力を発揮する4.8リッター直列6気筒DOHCを搭載しました。

 駆動方式はまだハイテク化を抑えており信頼性の高いパートタイム式4WDを採用し、リアにLSDを標準装備してデフロックを設定するなど、高い悪路走破性を実現。

 かなりの進化をみせたサファリでしたが、日本では人気低迷から3代目をもって販売を終了しました。中東やアフリカなど、海外では引き続きパトロールの名で販売が継続されており、インフィニティブランドでも「QX80」として展開しています。

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●初代エクストレイル

クロカン車のイメージを残していた初代「エクストレイル」
クロカン車のイメージを残していた初代「エクストレイル」

 日産「エクストレイル」は2000年に初代が登場し、すでに20年の歴史がある都会的なSUVです。とくに初代は歴代モデルでもオフロード性能を重視しており、クロカン車の実力を色濃く残しているのが特徴となっています。

 外観は直線基調なデザインで、力強さとスマートな印象を融合。比較的最低地上高を高くしたことで、クロカン車の雰囲気もあります。

 エンジンは150馬力を発揮する2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。駆動方式はスタンバイ式の4WDで、走行モードは手動での切り替えも可能でした。また、FFの2WDも用意されており、4WDを必要としないユーザー層にも対応。

 内装では撥水性の生地を採用したシートや洗えるラゲッジボードを設定し、2003年のマイナーチェンジでは跳ね上げ式ステアリングを新たに装備し、運転席で着替えることができるなどアウトドアスポーツ愛好者の声を反映しています。

 そして2001年には、専用のフロントバンパーと大型フロントグリルを装着し、シリーズ最高の280馬力を誇る2リッター直列4気筒ターボ「SR20VET型」エンジンを搭載する「エクストレイル GT」が、日本国内専用車として追加されました。

 2007年に登場した2代目も初代のコンセプトを継承していましたが、現行モデルの3代目では、よりクロスオーバーのイメージを強めています。

※ ※ ※

 今回、紹介したモデルを振り返ってみると、1990年代に日産は、サファリ/テラノ/ダットサントラック/ミストラルと、4台のクロカン車を同時に販売していたことになります。

 それほどまでに当時のRVブームではクロカン車が爆発的に売れており、現在のSUV人気の比ではありませんでした。

 しかし、ブームの終焉とともにクロカン車は急激に人気がなくなり、一時は良質な中古車がたくさん売られていたほどです。

 そんな中古車もいまではほとんど淘汰されてしまい、まさに「夢のあと」といったところではないでしょうか。

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Writer: くるまのニュース編集部

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