量産EVの先駆車 三菱「アイ・ミーブ」12年で幕 電動車の機運高まるなか3月末で生産終了へ

三菱は、電気自動車「アイ・ミーブ」の生産を2021年3月末で終了することを正式に明らかにしました。約12年での幕引きとなりましたが、クルマの電動化の機運が高まっているなか、なぜ生産終了するのでしょうか。

今後は新型軽EVに注力

 三菱は、2009年7月に市場投入された電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」の生産を2021年3月末をもって終了すると明らかにしました。政府が純ガソリン車の販売禁止の方針を打ち出すなど、クルマの電動化の機運が高まっているなか、電気自動車の先駆車であるアイ・ミーブは約12年の歴史に幕を下ろします。

2021年3月に生産終了となる三菱「i-MiEV」
2021年3月に生産終了となる三菱「i-MiEV」

 アイ・ミーブは、リアミッドシップレイアウトの軽自動車「アイ」をベースとして、2006年11月に研究車両が公開されました。

 軽自動車規格のボディサイズはそのままに、エンジン搭載部分にパワーユニットを搭載し、駆動用バッテリーを床下に搭載することで、ベース車両と同じ居住スペースと荷室空間が確保されています。

 研究車両の公開後、東京電力・中国電力との共同研究を皮切りに、電力会社や地方自治体などと共同で2年以上に渡る走行試験を実施。そうした成果をもとに、2009年7月に法人ユーザーおよび自治体などに向けた販売が開始されました。

 法人向け販売開始時の車両価格は459万9000円(消費税5%込)でしたが、2010年4月からの個人向け販売開始にあわせて61万9000円値下げし、398万円(消費税5%込)に改定しています。

 その後の改良で、車両価格の引き下げやエントリーグレードの追加、航続距離の拡大、フロントバンパー拡大による軽自動車規格から小型自動車(登録車)規格への変更などがおこなわれてきましたが、販売台数は徐々に低迷。2020年9月には一部メディアで年度内の生産終了が報じられました。

 三菱の広報担当者は「2020年8月から、アイ・ミーブの生産を担っている水島製作所(岡山県・倉敷市)で総額約80億円規模の大型設備投資をおこなっており、今後は日産と共同開発するとしている軽規格の新型電気自動車に注力していきます」とコメントしています。

 なお、軽商用車の電気自動車「ミニキャブ・ミーブ」は、当面の間販売を継続するということです。

※ ※ ※

 三菱の公式ウェブサイトではすでにアイ・ミーブの車種ページは無くなっています。

 現時点の販売状況について、複数の三菱販売店スタッフは「2021年2月時点で注文はできず、新車の在庫もない状態です」といいます。

 これから生産されるアイ・ミーブは「納車されるお客様が決まっている車両」(関東の三菱販売店スタッフ)ということです。

 このように、生産終了自体は2021年3月末だというものの、実質的にはすでに購入するのは難しい状況のようです。

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1件のコメント

  1. いよいよ日産三菱のEV軽の発売か? 期待しているけど、いくらになるのだろう。 EVの発進加速で軽に負ける登録車続出かも。 ちょっと怖い。 軽の維持費でコンパクトカー以上の広さと軽以上の燃費(電費)で静粛性。売れたら売れたで横着車が続出するだろうなあ。

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