スーパーカーとも相性良い? ラグジュアリーSUV「ベンテイガ」だけが到達できた境地

290km/hまではシームレスに加速する

 新型ベンテイガの外観上の変化がもっともよく分かるのは、リアまわりのデザインである。テールライトのデザインが現行「フライングスパー」や「コンチネンタルGT」と同じ楕円形のデザインに統一された。さらにこのテールライトは、クラムシェル型に変更されたテールゲートパネルに一体化されている。

●スッキリと洗練されたインテリア

先代の重厚感ある印象がスッキリと軽やかな雰囲気に様変わりした新型「ベンテイガ」のダッシュボード
先代の重厚感ある印象がスッキリと軽やかな雰囲気に様変わりした新型「ベンテイガ」のダッシュボード

 コックピットを見てみよう。ベントレー ウイングの形状を模したダッシュボードのデザインはそのまま踏襲されているが、先代の重厚感ある印象がスッキリと軽やかな雰囲気に様変わりしている。その理由は、センターフェイシア部分を大きく変更したためだ。

 新設計の10.9インチ インフォテイメントスクリーンは、タッチ式となったため、余計なスイッチやダイヤルが廃されている。さらにダッシュボートを水平方向に伸びやかに見せているのは、アナログクロックと一体となったエアコン吹き出し口である。従来のふたつの円筒形吹き出し口(ブルズアイ型センターベント)ではなく、吹き出し口自体がベントレー ウイングのような左右へ伸びるデザインのシングルベントに一新されたのである。

 ステアリングホイールの奥にあるメーターパネルは、フラットなデジタルドライバー インフォメーションパネルになり、フルデジタル表示となった。ベントレーを長年乗り継いでいる人なら、「クラシックビュー」を選んで、従来のスピートメーターとタコメーターを大きく映した方が落ち着くだろう。表示もアナログのデザインそのままでしっくりと馴染む。

 このインフォメーションパネルは、地図画面などを呼び出せる「エクスパンデットビュー」も選択できるので、ランボルギーニ「ウラカン」などに乗り慣れている人ならば、こちらの画面でも扱いやすいだろう。

●ベンテイガは、どこまでも加速する

速度無制限のステージで、上品な外観からは想像もできないポテンシャルを見せつけてくれた
速度無制限のステージで、上品な外観からは想像もできないポテンシャルを見せつけてくれた

 試乗車のベンテイガは、ブラックライン スペシフィケーション装備車両であった。ウイングベントやヘッドライトベゼルなどのブライトウェアがブラックペイントに変更されているため、見るからにスポーティな雰囲気だ。インテリアもフェイシアにウッドパネルではなく、新登場のダークティントダイヤモンド ブラッシュド アルミニウムが採用されている上に、シートやドアパネルなどにレッドでステッチが施されているため、スポーティな雰囲気に仕上がっている。

 この、スポーティなベンテイガに用意された試乗コースは、1周5.6kmの周回路である。一般公道とは違うため、日常での使い勝手などはリアルに体験することはできないが、クローズドコースであるため思う存分ベンテイガのポテンシャルを堪能することができる。さっそくコースインして新型ベンテイガとのファーストコンタクトを取ってみる。

 アクセルペダルを控えめに踏んでいるつもりなのに、2.4トンにもなるベンテイガのスピードメーターの針が、ストレスなど一切無関係に200km/hを指し、さらにその上の数字をも指さんとする余裕すら感じられる。試乗した周回路は一般道を模擬して設計されており、路面はフラット。開通したばかりの高速道路の路面をイメージすると近いかもしれない。タイヤから伝わる路面のノイズが一般道より少ない分、いつも遠くに感じていたV8エンジンの存在が少しだけ近くなったような気がする。

 エンジンはモデルチェンジ前のベンテイガと基本は同じ。先代ベンテイガでは、片道500kmオーバーのロングツーリングを幾度か経験しているが、これほど荒々しく自己主張するエンジンだと初めて気づかされた。速度無制限のステージでその気になれば、上品な外観からは想像もできないポテンシャルを垣間見せてくれるのだ。

 ドイツとイタリアのラグジュアリースポーツSUVが、自らの性能の高さをこれでもかと常に主張するのとは違い、ベンテイガはドライバーが要求したときにキッチリと、しかも余裕を残して応えてくれているのが分かる。日常域でのドライブでこれ見よがしに性能の高さをアピールしないだけに、ベンテイガの実力は底が知れない。200km/hを超えてさらに加速していくベンテイガに、畏怖すら感じてしまったほどだ。

 このまま道が真っ直ぐならば、カタログに掲げてある最高速度290km/hまでためらいなくアクセルペダルを踏み続けていられるだろう。しかし、現実には目の前にコーナーが迫ってきたため、アクセルペダルを緩め、パドルでシフトダウンして減速する。

 新型ベンテイガでは、先代からリアトレッドが20mm広げられた。理論的には、先代よりも安定した姿勢でコーナーをクリアできるはずだが、どれほどの違いがあったのかは分からない。ただし、想定以上にフラットな姿勢で高速コーナーを、それも東名高速大井松田のコーナーを走るときの、プラスαの速度で駆け抜けたという事実だけは理解できた。

 ステルス・ウェルスという価値を持ち出すまでもなく、この1点だけでも、新型ベンテイガはスーパーカーオーナーの足グルマとして、自信を持って薦めることができる。

●BENTLEY BENTAYGA
ベントレー・ベンテイガ
・車両価格(消費税込):2185万7000万円
・全長:5125mm
・全幅:1995mm
・全高:1755mm
・ホイールベース:2995mm
・車両重量:2440−2530kg
・エンジン形式:V型8気筒ツインターボ
・排気量:3996cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:4輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:550ps/5750−6000rpm
・最大トルク:770Nm/2000−4500rpm
・0-100km/h:4.5秒
・最高速度:290km/h
・公称燃費(WLTP):7.5km/L
・ラゲッジ容量:484リッター(5シーター)
・燃料タンク容量:85リッター
・タイヤ:(前)285/45ZR21、(後)285/45ZR21
・ホイール:(前)10.0Jx21、(後)10.0Jx21

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