「リコール」って悪いこと? 年間400件超の不具合発覚!? 対象になったらすべきこととは
たびたびニュースになるクルマのリコールですが、不具合を修理することから「悪」というイメージがあるのも確かです。そもそもリコールとはどのようなものなのでしょうか。自身のクルマが対象になった場合、どうすれば良いのでしょうか。
クルマのリコール実施は保安基準に適合するか否かが決め手
テレビの報道や新聞、あるいはネットニュースなどで、クルマの「リコール情報」が取り上げられます。
新しいところでは、2021年1月25日に日産が発表した「リーフ」31台を対象としたリコール。
「2020年10月19日から10月22日に生産された車両の助手席側フロントサイドメンバに不具合がある」というもので、亀裂が発見された場合は車両交換をするというものです。
こうしたニュースを見ると、不具合があることから「リコール=悪」、あるいはそのクルマを「欠陥車」と考えてしまいがちですが、果たして本当にそうなのでしょうか。
そもそもいったいリコールとはなんなのでしょうか。
一般的にリコールとは、設計や製造過程での欠陥が判明した場合に製造者や販売者が製品を無料で回収し、修理・交換・返金などの対応をおこなうことを指します。
一般製品の場合は「欠陥」を決める基準は法令の規定または製造者・販売者の判断ということになりますが、クルマについては国土交通省の所管で、保安基準に不適合となるか、あるいは適合しなくなるおそれがあるかが判断基準になります。
実際にリコールにいたる流れは、まず不具合情報を入手するところから始まります。
自動車メーカーによる自社調査や国土交通省の「自動車の不具合情報ホットライン」に寄せられた情報などをもとにメーカーが調査ならびに検討し、同省に報告。
国土交通省が報告された情報を精査し、場合によっては所管の交通安全環境研究所で技術的検証を実施します。
その結果を受けて、国土交通省はメーカーを指導。メーカーはリコールの実施を決定し、国土交通大臣に届出をおこないリコール実施へといたります。
その後はメーカーと国土交通省によりプレスリリースやウェブサイトへの掲載といった情報発信がおこなわれ、事故・トラブルを未然に防止すべく回収・修理となります。
メーカーが自主的にリコールをおこなわず、かつ、事故が頻発している場合には国土交通省はメーカーに対しリコールの勧告・命令をおこなうことができます。
もし虚偽申告、リコールの届出義務違反、リコールの命令に従わない場合は、懲役1年以下、罰金300万円以下、法人罰金2億円以下の罰則が科せられます。
このように厳罰化されたのは、2003年の道路運送車両法の改正からで、1997年の富士重工(現スバル)、2000年には三菱によるリコール隠し問題がきっかけとされています。
なお、翌2004年からはクルマだけではなく、特定後付装置としてタイヤとチャイルドシートもリコール制度の対象となりました。
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