「3月には交換を!」 冬タイヤで夏場に走ったらどうなる? 重大事故に繋がる危険性とは

夏用タイヤと比べて、冬用タイヤの特徴はどういったものなのか

 そもそも冬用タイヤとはどういった特徴があるのでしょうか。

 冬用のスタッドレスタイヤは、積雪や凍結した路面で使用することを目的に作られたタイヤで、寒冷地に住んでいる人や、ウインターレジャーに行く人には必需品とされています。

 見た目の特徴は夏用タイヤより溝が深く、タイヤの地面と触れる部分であるトレッドに、溝で囲んだような大きく深いブロックが設けられており、そのブロックには細かな切れ込み(サイピング)が刻まれています。

 この構造により、雪上路では、トレッドのブロックによって雪を踏み固めながら抵抗を増やす雪柱せん断力と、ブロックの角が雪をひっかくことで生じるエッジ効果によって雪を噛むように圧縮していきます。

 溝に噛まれた雪はタイヤが回転する間に溝から剥がれ落ち、再度接地した時には新たな雪を噛む動きをします。

 また氷上路では、サイピングによって、滑りの原因となる路面の氷上にできた「水膜」を細かい溝のなかに取り込むように働き、エッジ効果が増えます。

 ゴムが低温下でひっつこうとする凝着摩擦力とあいまって、安定したグリップ力が確保され、このような構造により、冬の道でも駆動力や制動力、そしてハンドルを切った際の旋回力を生み出し、安定した走行が可能となっています。

冬タイヤはまさしく雪道や凍結路などで本来の力を発揮する
冬タイヤはまさしく雪道や凍結路などで本来の力を発揮する

 もうひとつの特徴として、夏用タイヤとは違うゴムを採用しているところにあります。

 低温でも路面にピッタリと密着し、硬くなりにくく、しなやかに動くように特殊配合されたゴムを使用しています。

 また、氷表面の水分を除去する素材を使うことによって摩擦力を生み出しています。

 このしなやかさより、雪や氷との接触面積を増やし、冬用タイヤの溝の特徴によりエッジ効果が増加され、走る・曲がる・止まるといった車の基本要素が保たれるようになっています。

 それだけでなく、雪や氷のない通常の路面でも、通常の運転操作をしている上では安心して走行できるように設計されています。

 このように、冬用タイヤは、積雪路・凍結路面での性能を重視して作られているので、乾燥路及び湿潤路で使用することを進めてはいけないといわれています。

※ ※ ※

 近年では夏用として使用可とされるスタッドレスタイヤや、オールシーズンタイヤというものも人気が出ていますが、タイヤの特性などをよく理解したうえで、十分な注意を払う必要があるといえます。

 住んでいる環境にもよりますが、冬から春へと気候の変わるタイミングで、夏用タイヤに履き替えることがベストといえるのではないでしょうか。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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