「3月には交換を!」 冬タイヤで夏場に走ったらどうなる? 重大事故に繋がる危険性とは

稀に冬タイヤのまま春・夏・秋を走行する人がいるといいます。では冬タイヤのまま、夏場に走行するとどのような危険性があるのでしょうか。

冬用タイヤで夏に走ったらどうなる?

 タイヤは冬になる前に夏タイヤ(ノーマルタイヤ)から冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)に替えますが、冬タイヤを装着したまま1年を通して走行しても問題はないのでしょうか。

冬タイヤで夏場に走ると…思わぬトラブルに発展する可能性も
冬タイヤで夏場に走ると…思わぬトラブルに発展する可能性も

 一般的には、冬用タイヤで通常シーズン(春・夏・秋)も走行すると危ないといわれています。

 危険性について、あるタイヤ販売店のスタッフは以下のように説明します。

「冬用タイヤは、夏用タイヤに比べて溝が深く、細かい溝も多数あります。

 これらの溝には吸水性能があり、とくに雨の日など路面が濡れているときは、スタッドレスタイヤが水を溜め込んでしまうため、排水性能が低下して、高速走行ではハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。

 また、ゴムが柔らかくできているので、高温になる夏の路面では、柔らかくなりすぎてタイヤ自体が歪みグニャグニャします。

 タイヤの性能を発揮できない状態でグリップが悪くなり、カーブなどの曲がった道では、ふくらんだり、ふらついたりして思うような走行が出来なくなることもあります。

 着脱する費用や、手間がかかってしまうため、面倒に感じて冬用タイヤをそのまま夏も使って履き潰してしまう人がいらっしゃいますが、危険なので季節ごとに替えるように心がけて下さい」

 また、JAFでは、2015年に雨天時にタイヤの溝の深さのちがいで摩擦力がどの程度違うのか直線ブレーキテスト、旋回ブレーキテストをおこなっています。

 テスト車両はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が装着されているトヨタ「プリウス」で、使用されるタイヤは夏用の新品、5分山、2分山の3種類、さらに夏用として使用可とされる5分山の冬タイヤも加え、同サイズ4タイプのタイヤで実験がおこなわれました。

 この検証では、ドライ時の路面、ウェット時の路面をそれぞれ走り、60km/hと100km/hでの制動距離を測ります。

 直線でのブレーキテストにおいて、とくにその差が現れたのはウェット路面となり、60km/hで濡れた路面での制動距離は新品タイヤが16.7mであったにもかかわらず、5分山の冬タイヤでは20.3mでした。

 100km/hでは、新品の夏用タイヤが47.6mであるのに対し、冬タイヤでは72.2mとはるかに長くなりました。

 夏用の5分山タイヤであれば、ドライ・ウェット路面ともに、新品の夏用タイヤと制動距離において大きな差は見られなかったので、同じ5分山のものでも冬タイヤということだけで、かなりの差が出ています。

 この結果から「溝があるから問題ない」「夏も利用可の冬タイヤだから大丈夫」という考えを持つのは危険であるといえるでしょう。

 また、摩耗が進んでいる2分山タイヤのウェット路面のテストでも、60km/hで18m、100km/hで70.5mと、いずれも冬タイヤの制動距離が長いことが分かりました。

 このように、「費用がかかる」「面倒だから」を理由に冬タイヤのまま走行し続けることで、危険性が高まるということが分かります。

 実際に夏によく起きる冬タイヤの事故について、ロードサービスの担当者は以下のように話します。

「夏の雨の日のスリップ事故の現場に行くと、冬用タイヤを着用したままだったというクルマを高確率で見かけます。

 冬用タイヤはゴムが柔らかいのが特徴で、摩擦抵抗が少ないので、とくに滑りやすいのです。

 夏になっても履き続けていた冬用タイヤで、しかも雨の日にドライバーの感覚が夏用タイヤを履いている雨の日の感覚で運転しているのもひとつの原因です。

 雪の上は、滑りやすいと視覚の要素も加わり注意してアクセルを開き、ブレーキをかけます。

 スリップしないように細心の注意を払い運転をするのですが、夏の日に冬用タイヤを履いていても、それと同じような感覚を持って運転する人はまずいません。

 夏に冬用タイヤを履いているということは、氷の上を走っているのと同じということなのですが、冬用タイヤ特徴の深い溝があり、見た目上は摩耗していないので、滑るという感覚は掴めないと思います。

 豪雪地帯ではない人は、雪がもう降らないという予報が確認できれば3月には夏用タイヤに履き替えて欲しいです」

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7件のコメント

  1. 内容はスゴく当たり前のことを書いてある。しかし3月でも雪の降る地方はあるので、なかなか交換できないと思う。なので決めつけた書き方はやめて欲しい

  2. スタッドレスとして心許なくなった「減った」「硬化した」タイヤは夏タイヤとして活用するのがいいと思うよ。どのみち11月から4月まではスタッドレスなんだから。残りは半年。

  3. この記事書いた人は実際に夏場に運転をしていないと思われる

    自分は実際にスタットレスタイヤで雨や夏の暑い時期に実際に走っています

    雨については元々免許を取る時に制動距離が伸びるとの認識があれば何の問題もない程度の事です

    唯一の違いは高速道路での燃費差です
    アクセルペダル同じように踏んだ時のスピードの差が一割程度ノーマルタイヤが良い程度

    スタットレスタイヤ及びノーマルタイヤのゴムの劣化を考えると基本にに2シーズン
    (使いはじめて2年)

    であれば地域によりますが、ノーマルに履き替えをせずにスタットレスのままの方が、コストパホーマンスが圧倒的に良い

    タイヤショップは売れれば良いので履き替えを推奨するのは当たり前

    この様な記事を書いている人の運転技術と運転経験値が低いと感じる

    他人を煽るような記事を書いてプレビューを稼ぐのはやめて頂きたい

  4. なぜ、3月で…とライン引きできる?
    住んでいる所や生活スタイルで大きく左右されるはずなのに。
    この記事のタイトルに疑問だわ。

  5. 自分は関西在住ですが、まだ3月は早いですよ。
    4月になっても、まだ積もる年もありますから。

  6. オフシーズンにスタッドレス使うのがとても危険なことというふうに文面受け取りましたが例えば東京から東北のスキー場行くとして地面に雪あるのは高速降りて山道入ったからがほとんど。行程の90%はドライ路面ですよね?現地でタイヤ交換?あり得ないですよね?じゃあチェーン?スタッドレスの存在価値はどうなるんですか?

  7. この記事が書かれたエリアが何処なのか?気候、気温、路面温度などの条件は?
    日本は狭いが南北に長く記事の条件が当てはまる地域は少ないと思うのだが。
    燃費については、スタッドレスでも空気圧の調整などで夏タイヤと同等の燃費を出す事は出来た。
    説得力の乏しい記事で、責任を「タイヤ販売店スタッフ」に、すり換える巧妙さ。

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