ホンダ最後の軽トラ!? 生産終了の「アクティ・トラック」 海外で35年落ちでも100万円超えのワケ

2021年4月で生産終了となるホンダの軽トラ「アクティ・トラック」が海を渡りアメリカ・カリフォルニアで販売されているといいます。しかし、販売されているのは1986年式の代物です。なぜ、日本専用車ともいえる35年落ちの軽トラがアメリカで販売されているのでしょうか。

2021年で生産終了、唯一無二の「農道のフェラーリ」

 日本市場のためにつくられた軽トラですが、なぜかアメリカ・カリフォルニアでは1986年式のホンダ「アクティ・トラック」が約103万円という値段で販売されているようです。

35年落ちのホンダ「アクティ・トラック」がアメリカで発見された!?(画像:TOPRANK IMPORTERS)
35年落ちのホンダ「アクティ・トラック」がアメリカで発見された!?(画像:TOPRANK IMPORTERS)

 軽自動車といえば、日本独自の規格であることからもわかるように、日本の市場、そして日本の道に合わせて開発されたカテゴリーです。

 なかでも、荷台を持つトラック仕様の「軽トラ」は、その機能性とコストパフォーマンスの良さから日本の農業や物流を支えてきました。

 一方、日本市場専用車種のため、グローバルモデル化することで販売台数を増やし、1台あたりのコストを抑えるという現在の自動車業界のトレンドが適用できず、また年々厳格化される環境規制や安全基準への対応も難しいことから、近年では生産終了する車種も増えています。

 アクティ・トラックも、時代の流れに飲み込まれて生産終了となってしまった1台です。

 アクティはホンダ初の4輪自動車である「T360」の流れをくむ由緒あるモデルであり、そのノウハウは「N-VAN」へと引き継がれていますが、トラック仕様は2020年をもって生産終了となってしまいました。

 アクティ・トラックは、軽トラとしては唯一無二となるMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)という駆動形式を採用していることから、「農道のフェラーリ」あるいはホンダのMRスーパースポーツカーである「NSX」から「農道のNSX」などと呼ばれるなど、いまもなおマニアックな人気のある1台です。

「アクティブ」に由来するとされるその車名の通り、アクティはビジネスユースはもちろんのこと、レジャーでの仕様も想定されていたといわれています。

 先述のMRレイアウトに加え、荷台とフレームが一体化したモノコック構造のボディや、高回転まで回るギア設定などがそれを裏付けます。

 しかし、近年では競合モデルに比べて機構が古くなり、それでいて予算をかけて新規開発するほどの市場環境を見込めないことから、ホンダはアクティ・トラックの生産終了とともに軽トラ市場から撤退することとなってしまったのです。

【画像】まるで新車の軽トラ!? 35年落ちとは思えないアクティ・トラックを見る!(26枚)

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