ホンダ最後の軽トラ!? 生産終了の「アクティ・トラック」 海外で35年落ちでも100万円超えのワケ
なぜ35年前のアクティ・トラックが100万円超えもするのか
そんなアクティ・トラックですが、日本から遠く離れたアメリカ・カリフォルニアの地で販売されているのが発見されました。
軽自動車であるアクティ・トラックには当然のことながら海外仕様車は存在しないため、右ハンドルの日本仕様車です。
そもそも右側通行の国である米国では、右ハンドル車の走行が原則として認められていません。
しかし、一部の州では、初年度登録から25年が経過したモデルに対しては規制が緩和され走行可能です。
そのため、漫画やアニメに登場する25年前以上の日本車に注目が集まっています。
今回発見されたアクティ・トラックも、1986年式であることからわかるように、前述の「25年ルール」によって米国に輸入されたものと考えられます。
純正色であるホワイトに「TN ACTY SUPER DELUXE」の文字が輝くそのボディは、年式の割にはキレイに見えますが、どこからどう見ても「ザ・軽トラ」です。リアには「最大積載量350kg」のステッカーも残されています。
内装もいわゆる軽トラのイメージそのものです。ベージュのコンビレザーは、現代的な感覚からすれば「シブい」といえるかもしれませんが、メカニカル感満載のシフトレバーまわりや、一切リクライニングができない直立したバックレストは、快適性という言葉からは程遠いといえます。

走行距離は3万9715kmと、軽トラにしては控えめということもあり、内外装や機関系など非常にコンディションの良いこのアクティ・トラックですが、逆にいえばそれ以外はなんの変哲もない軽トラです。
しかし、そんなアクティ・トラックには9975ドル(約103万5000円)というプライスタグが付けられています。
1986年当時の新車価格がおよそ60万円程度だったことを考えると、まさにプレミア価格といえます。
ちなみに、日本の中古車市場で同年代のアクティ・トラックを探してみると、数万円から30万円程度の個体がほとんどです。
日本でも国内販売されていない大型のピックアップトラックを並行輸入して乗るマニアがいるように、米国にも小さいクルマに憧れるマニアがいるのかもしれません。
そのため、走行距離や状態の良さから35年落ちのアクティ・トラックに100万円を超える価格が付いたのかもしれません。
ちなみに、このアクティ・トラックは、現地の中古車販売店では「ピックアップトラック」に分類されています。
構造上はたしかにその通りなのですが、トヨタ「タンドラ」やフォード「F-150」のようなピックアップトラックと並ぶと、まるでミニカーのようなサイズなので、なんだか不思議な感じです。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。



























