なぜド派手VIPカーが激減? 過激成人式で話題の北九州市 豪華衣装残るも意識変わる新成人達
ド派手衣装が生んだ、意外な効果とは?
そして、北九州市成人式に集まる不正改造車が激減した理由は警察の取り締まり強化のほかに、もうひとつまったく違う理由が存在しているとのこと。
昨今の事情について、地元事情や警察事情に詳しい人間は次のように話します。
「かつては荒れていた成人式ですが、ケンカやグループ抗争も年々なくなって静かになり、成人式仕様や族車のようなクルマも激減したのには実はあの派手な衣装が関わっているのです。
今や全国区で有名になったあのド派手な衣装は、10年位前から北九州市の成人式で目立つようになりました。小倉にあるレンタル衣装屋が営業を開始してからです。
最近では『一生に一度の成人式のために』、働き始めてすぐからお金をためてこの日のために備える若者も増えています。1セットで60万、80万円もするゴージャスな衣装を選ぶ若者も多いです。
自分の名前が入ったのぼりやグループ全員の名前は出身中学の名前が入った大きな旗などは1年以上前から準備します。
お金と時間をかけた成人式ですから、ケンカで衣装を汚したり顔に痣を作ったりしたくはないでしょう。おのずとおとなしくなってきたものと思われます。
同時に、違法改造で取締りの対象になるようなクルマが会場近くを走り回ったりすることもなくなりました。
せっかく大枚をはたいて参加した人生一度の成人式で『御用』となり、クルマを没収されたり、警察に呼ばれたりしたら、成人式が台無しになってしまいます」
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北九州市成人式の代名詞となりつつあるド派手な衣装が、実はケンカも抗争も、不正改造車両も激減させていたという事情のようです。
なお、激減したとはいえ、現在もわずかですが成人式仕様のクルマと記念撮影するド派手衣装の新成人は存在するとのこと。
しかし、これらのクルマはすべてナンバー無し。撮影場所となる駐車場までは、積載車に積んで運んでくるとのことでもちろん公道で走ることはないといいます。
不正改造車やグループ抗争などのトラブルが激減したといっても、現在も機動隊や覆面パトカーはたくさん配置されていました。会場周辺は白黒パトカーに混ざって、覆面パトカーもかなり目撃されています。
なお、警察車両の配備について北九州市は次のように説明します。
「以前に比べてトラブル激減ではあっても、いざというときに備えてたくさんの警察車両を待機させています」
不正改造車を走らせてアピールするよりも、派手な衣装でアピールするほうが確かに健全な成人式として盛り上がるのかもしれません。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
あれで”格好が良い”と言う人間がまだいるんだ。(驚)
格好ではなく、滑降しているだけだろう。